排球部の王様の恋 (ページ48)

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11話アイスの時間ページ48

「…月島も行くのか？」

「……そのつもりだけど？」

「俺も行く」

「はぁ？」

「俺もアイス、買いに行く」

「…………王様、財布部屋デショ
っていうか、君のアイス冷蔵庫に残ってるでしょ」

「うぐっ…そ、それでも……行く」

「なにしに行くつもり？」

バチバチッと火花が散っているので、『行ってきまーす』と声をかけてピシャリとドアを閉めてスーパーへと足を向けた

数秒後、バタバタと追いかけてくる影山と、そこまで慌てた様子のない月島が追いかけてきた

私を真ん中に挟んで並んで歩き、スーパーまで何故か無言でテクテクと歩いていく

『月島は何買うの？』

「特に決めてないけど、キミは？」

『んー…リンゴ味のアイス』

「リンゴ…好きだっけ？」

『最近ハマった』

スーパーに入り、ひんやりとした空気に包まれながら、アイスのコーナーに行くと影山も月島もアイスを見て回ったりお菓子を見て回ったり、別々の場所へと足を向けていた

『んー…』

「…何に悩んでるんだ？」

『リンゴかモモ』

「リンゴじゃなかったのか？」

『…あれ、月島は？』

「もうレジ」

『は？ついてきといて勝手すぎ』

なんなのあいつ…

パッと取ったリンゴとモモのアイスを見た影山は、「なんで２つ？」と首を傾げた

レジでお金を精算して、スーパーを出ると既にアイスキャンディを食べていた月島は、「遅かったね」とさほど気にしていないようなそぶりで突っ立っていた

『ついてきといて先にレジ行くって何』

「そっちが決めるの遅いんでしょ」

『腹立つ』

「早く帰るよ。暑くて仕方ないんだから」

『なんで出てきたわけ？頼めば買ってきたのに』

「それは……」

先に歩き出した月島が振り返りながら何か言いたげな顔をしながらも、無言で見つめてきて「別に」と言い、また歩き出した

「キミに頼んだら全く別のもの買ってきそうだってから」

『買わないよ!!』

ムッカァとイラついたけど、袋からモモのアイスを取り出して『はい』と影山に渡す

「え？」

『練習、お疲れ』

「…あざっす」

アイスをもらった影山は嬉しそうにアイスを頬張り、私もそれを見てリンゴのアイスに手をつけた