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ーその日の夜中ー
「…王様が夜中に起きてるとかあるんだ」
「…別に」
「…………まだ起きてるの?」
「寝付けないからな」
「ふーん」
空には星が輝いていて、ただ眺めているとふと俺は「坂城って」と口走っていた
「月島と仲良いな」
「は?」
「…違うのか?」
「……人から見ればそう思うかもしれないけど、別に僕はアイツと仲良いとは思ってない」
「そう、なのか?」
「…“仲は”ね」
「!」
「…アイツが僕をどう思ってるのかは見てればわかるし、別に僕はそれに答えるつもりはない」
「なら…!!」
月島は坂城が自分を好きなのを知っていて答えないと言っている
椅子から立ち上がり、俺は月島の胸ぐらを掴もうとした
「…人の話は最後まで聞きなよ」
「……!」
「別にアイツが嫌いとは言ってない。
好きか嫌いかって言われたら、好きって答えるよ
でもそれはアイツと同じ好きじゃない…「まだ」ね」
「てめぇ…………!!」
「欲しいものは確かに欲しいけど、王様みたいに執着するのは嫌いでね
僕は僕なりにアイツを好きになる
ま、せいぜい頑張ってよ王様
アイツの興味や好意が自分に向くようにさ」
フッと挑発の笑みを浮かべた月島は部屋の方へと戻って行き、俺は1人になって持っていたタオルを地面に叩きつけた
「影山君?」
「!」
「だ、大丈夫?」
「潮田…」
「……なんか、月島君と話してたみたいだけど」
「…大丈夫だ」
「それなら、いいけど」
「……………」
「ねぇ!」
「?」
「ちょっと、ワルイことしない?」
悪戯っ子のような笑みを浮かべた潮田の手の中には、ソーダ味のアイスがあった
「ちょっと外に出て買ってきたんだけどね、みんな寝ちゃってたから」
「そうだったのか」
「だから食べてくれてよかったよ。1人じゃ食べきれないし、透留はソーダ味のアイスは嫌いだから」
「…そう、なのか」
「うん」
しゃくりとかじると、「透留ね」と潮田は俺を見ずに空を見上げながら、三日月を懐かしむように眺めていた
「透留の中での今の1番は、月島君なんだ」
「………見てたら、わかる」
「うん」
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お稲荷大好き(プロフ) - いやぁーいっすねー!夢主ちゃんの性格ドストライクですわ、、もちろんストーリーもですよ? これから勝手に更新楽しみにさせていただきます!頑張ってください! (2020年8月5日 23時) (レス) id: 81eca2f435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年8月5日 19時