排球部の王様の恋 (ページ36)

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うんうん。と黒尾さんが頷いているとバッコーンと黒尾さんの後頭部に何かが当たった

『中村から音駒がいるって聞いて、ゴミ捨てに来てみれば…何やってんの』

「おう、坂城。再会と同時に空き缶を投げるんじゃねぇよ」

『それはすいませんね。そこのゴミ箱に捨てておいてください』

スタスタと歩いていく坂城に「ちょっと待ってよ～！」と、烏野に来た潮田が走ってきた

「透留ッ、早い…！」

『渚が遅いだけじゃない？』

「相変わらず酷いよ」

『それよりさ、この後わかばパーク行くってホント？』

「あ、うん。一応、挨拶しに行こうって」

『…挨拶、ねぇ
まぁ、キザ男や芋メガネに会うよりはマシか』

「五英傑には会いたくないよね…休みぐらい」

『どーせ、会ったってお前らよりも頭いいとこ入りました～って言ってやればいい
渚んとこ、結構レベル高いじゃん』

「うーん…学校でマウント取るのはちょっと」

パンパンと手を叩き、『よし』と腰に手を当てた坂城に「透留～!!」と日向が駆け寄った

「あ、日向君」

「ちわっす！」

「こんにちは」

『走り込み、だっけ？』

「おう！透留、お前の学校すげェな！でっけぇ！かっけぇ！」

『………え、かっこいい？』

「おう！綺麗だしな！」

『……だってさ』

「あははは…」

眉を下げて苦笑いする潮田に「変なこと言ったか？」と日向が少し慌てると「あ、ううん」と潮田は首を横に振った

「ただ、かっこいいとかで言い表せないなーって」

「ん？」

「…二度とない、中学時代だったからね。ね、透留」

『…視線がうざい』

「え!?」

『早く戻ろう。磯貝の鉄槌は死んでも受けたくない』

「ゴミ捨てに怒られはしないと思うけど…」

その時、「おやおや、おやおや」と正門の方から耳に残る嫌な声が聞こえてきた

「これはこれは、この休みによく働くね～E組」

『ゲッ…荒木』

「五英傑…」

「ん？んん？」

『お前こそ、朝から何やってんの？
どうでもいいけど、なんの用？暇じゃないんだけど』

「どう見ても暇そうだが？」

『黒尾さん、黙って』

バグっと肘鉄を入れられた黒尾さんに、「バカだな…」と孤爪さんは静かに突っ込んだ