排球部の王様の恋

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『……………でも、影山本人が嫌いなわけじゃない』

「え？」

「どういうこと？」

『………………真っ向からぶつかってくる奴って、嫌いじゃない
影山みたいなバレー馬鹿は嫌いじゃないよ』

「それ、影山本人に言えばいいじゃん」

『負けた気分になって嫌だ』

「それ、なんかわかる気がする」









頷いて同意する日向に「わかるんだね」と谷地ちゃんが言った後、すぐに言葉を紡いだ









「それにね…何かに一直線になる奴ほど、厄介な奴はいない
焦らず腐らず、まっすぐ前を向いて泳げば…いつか必ず、やり遂げれる…
でもまぁ、私の連絡先が欲しいなら自分からもっと誠実に伝えてくればいい話だけどね』

「あ、あははは…」

『だからといって、簡単に教えるわけないけど』









そう簡単と、個人情報をホイホイと渡すほど私は馬鹿じゃない









「れ、連絡先………教えてくださいこの野郎…」

『なんで喧嘩越しなわけ？』









翔陽と谷地ちゃんに言われたのだろう。


自分から聞いてくるようになった









しかもそれが10日も続く









『あのさ、諦めるとか』

「諦めねェ」

『！』

「欲しいと思ったものを手放すつもりなんて、俺にはない！」

『…………………………』









…こーいう、まっすぐに見てくるのも、言ってくるのも、本当は好きだ








けど、









「だ、だから…教えてください…………コラ」

(悪語録つけるから交換する気が失せるんだけど…)









なんで喧嘩越しな口調なのかはさておき、なんで交換したいのかも答えになってない答えで返ってくるし…ホント、面倒な奴









『………わかったよ、教える』

「！」

『私だってあんまりスマホは見ないし、返信は遅いからそのつもりで
ほら、携帯出して。交換するから』

「………あ、あざっす!!!」









影山side








「おお、やっと坂城と連絡先交換したんだな」

「はい」

「へー。アイツ、折れるの早かったね」

「…いつも思ってたけど、月島って透留と仲良いのか？」

「……アイツが勝手に僕の後をついてくるだけ
ただ、それだけだよ
腹立つぐらい、頭いいし…」

「それは、答えになってないと思うが」

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