排球部の王様の恋 (ページ25)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:98,237 hit

6-2 ページ25

『…………………ってぇ』

プッと赤い血を吐いた坂城は『…………先に手ェ出したんだからな』と立ち上がり、バキリと手の骨を鳴らしていた

「逃げたつもりか？」

『は？』

「烏野に行ったと聞いて、僕は…………ッ」

『…………………お前の気持ち、押し付けんなよ
私が烏野に来たのは、逃げたんじゃないし椚ヶ丘が飽きたわけでもない
私が行きたいと思って烏野を選んだ。ただ、それだけだ』

真っ赤になった頬と、口から流れる血を拭った坂城に「これ使って」とマネージャーが氷を渡した

『ありがとうございます…』

「浅野クンさぁ、武術の心得あるんだから少しは手加減したら？
下手したら歯折れてたけど？」

「…フン」

悪びれた様子のない浅野に1発見舞ってやろうかと思った途端、「いっ!?」と浅野が頬を殴られていた

『やられたからやり返す、それが流儀でね』

「うわー…あれ痛いぞ」

「久しぶりに見たな。坂城のパンチ」

「乱闘にならなきゃいいけどな」

練習試合も始まり、上には坂城と赤羽がいる

透留side

「烏野の10番と9番の速攻、面白いね～」

『……………………………日向はジャンプ力とスタミナがすごい
あのセッターはその日向に合わせるようにボールを持って行ってる…
ホント…腹立つぐらい名コンビだよ…あの2人は』

「…………………珍しいじゃん」

『…なにが？』

「素直に褒めるなんてさ。今までなかったじゃん」

『……そんなことない』

「素直じゃないね～」

『…………………』

「けど」

『？』

飛び上がった翔陽を見ながらカルマは「…透留が憧れるのもわかるかも」と言った

『…………………別に、憧れてない』

(………憧れてるのは…)

『ただ………』

「！」

『私もやりたいなって、思った』

「………………………」

『……………変なこと、思わないでよね
私だって性別は変えれないっていうのは理解してるから』

「………憧れてるのは、あのメガネ君でしょ？」

『………………えっ』

「透留、好きたもんね。あの「月島蛍」クンがさ」

『…………………。……………ッ(ｶｧｧｧｧｯ』