排球部の王様の恋 (ページ15)

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『なに絡まれてんの？』

「透留…」

『婆ちゃんが晩ご飯作るって言ってるからさっさと帰るよ』

「う、うん。あ、じゃあ」

「気をつけてな」

ぺこりと頭を下げた2人は、笑いあいながら帰っていく

「あれ？ツッキー、同じ方向じゃない？」

「…山口、うるさい」

「え、ツッキー…まさか」

「………………………………フン」

月島と山口の会話はよくわからないが、とりあえず坂城に好かれるように話しかけても答えてもらえるようにしないと…

ー週明けー

「おはよう、坂城!!」

『…………………………………………』

「おはよう!!」

『……………………はよ』

スイッと横をすり抜けるように歩いて行き、影山の挨拶に小さく返していつものように鞄を机に置いてイヤホンの音量を上げる

「坂城」

『…………………………』

「坂城。なあ、なあ！」

(…うっっっっっっざ…)

ツンツン、と指先で突いて来る影山に顔色を変えずにうざがっていても、相手はわからないわけだからこちらの気持ちにも……………

「坂城、英語教えてくれ」

(だからうざいんだよ、こいつ)

ブチっと切れそうな糸をなんとかつなぎとめ、鞄の中からガサガサと漁り、お目当のモノを取り出し、影山に向き直る

影山は自分の英語ノートを持ちながらこちらを見ており、私はお目当のモノを影山の顔面に叩きつけた

「ぶっ」

「あれ、坂城。どこいく……………」

『4組ッ』

「お、おう…」

ガラッ、スパーーン！と、教室のドアを閉め、隣のクラスのドアを開け『月島ーーッ』と叫ぶ

「もうどうでもいいから、面倒ごとを僕に持ってこないでよ」

『朝からなんで突かれまわされなきゃいけないわけ!?
あんたがなんとかしなさいよ!!』

「王様は僕の専門外なんだけど？」

ガタンッと月島の目の前の席に座り、『…なんで私が』と、ストックしていたリンゴ煮オレにストローをさした

「……王様がキミを好きになる理由が、僕には理解できない」

『当事者が1番わからないからこうやって悩んでるんだよ』