排球部の王様の恋 (ページ13)

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3話対面の時間ページ13

「あ、あの…？」

「あ…すんません…。坂城、ですよね？
多分、もう帰ったかも…」

「うえっ!? うぅ………呼び出したの透留なのに…」

「…………………あの、家の方に行ってみたら」

水色の髪の毛の女っぽいそいつに口を開いた時『あれ』と、片方の手をポケットに突っ込み、紙パックの飲み物を飲んで現れた坂城

『なにしてんの？こんなとこで』

「透留が呼び出したんだよ!?」

『え、そうだっけ？』

ポケットからスマホを取り出し、スイスイと操作して『うわ…』と声を出し『ごめん』と謝っていた

『1人できたの？』

「うん…。カルマは今日は時間取れないって」

『どうせまた釣りだって…』

「言い方…。あ、ありがとう！」

「うっす…」

『え、なに…影山に絡んでたの？』

「透留のこと聞いてた」

『え、公開処刑』

女っぽいそいつと歩いていく坂城は校舎の中に消えていき、俺はその姿をボーッと見つめていた

「影山、今日なんかぼーっとしすぎじゃね？」

「…あ？」

「透留がこなかったから、とか？」

「んなわけないだろ」

自転車を押して帰る日向の隣を歩きながら、一歩先を歩く先輩方の後をついていく

「けど、他校の人間が来るってどういうことだろうな」

「坂城の友達じゃないか？」

「確かに」

烏養コーチの坂ノ下商店で肉まんを買い、その場で先輩たちと頬張っていると「ちょ、早いってば!!」と、坂の上から聞き覚えのある声が聞こえてきた

『遅いって…もう体力落ちたの？』

「透留が早いだけだよ!!」

『ほら、あそこで牛乳奢ってあげるから』

「遠回しに背を伸ばせって言ってるよね？」

はぁ。と、ため息をついたそいつは俺に気づいたのか「あ」と声を上げて坂城に「あの人」と耳打ちした

坂城も気づいたのか『げっ…』と短い声を上げ、めんどくさそうな顔になっていた

「坂城と…他校生？」

「俺が見たのはあいつです」

「つーか、なんで学ラン？」

「スカートじゃないな」

『ぐふっ…！』

「ちょ、透留ッ」

田中さんの残念そうな声が聞こえたのか、坂城は口元を覆って腹を抱えて笑い出した