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腹を抱えて笑う私と怒っている英二に何が何だかわかっていない警部たちに、伊部さんが「彼らはその…助手でして…一応」と説明に入ってきた
英二はムスッとしながら彼らに向き直った
「奥村英二です。19歳、大学生です」
「「えぇっ!?」」
『嶋原海斗。21の個人会社経営中、よろしく』
「「えぇっ!!!?」」
私と英二の年齢、私の職業を聞いて声を上げる警部たちにさらにクツクツと喉を鳴らした
「いやーっ、彼は日本人としても童顔で若く見えますから…」
「いや失礼…。しかし返っていいかもしれませんよ。若く見えるというのは」
『…？』
「彼らは大人を信用しませんからね」
20歳超えた人間にそれを言うか？
スマホをポケットに入れたあと、立ち上がると「やはり、かなり危険なんですか…ストリートギャングというのは？」と伊部さんが緊張しながら聞いた
「相手によりけりですが、今日会うことになってるアッシュと言うやつがこれがなかなかの実力者で、あっという間に近隣のグループをまとめあげちまいましてね…」
(アッシュ？)
そういえば、昼間に会ったあの子どもの名前…アッシュとか言ってたな…
そんな偶然あるのだろうか…
「それも弱冠17歳で」
「17歳ですか!?」
「ええ。それも白人でありながら、プエルトリカンやメキシカン、黒人まで統率できるというのは、並のことではないんですよ」
(…………あぁ、なるほど)
スマホを取り出してすぐに市警のデータベースをハッキングして見せて貰えば、やはりさっき会った少年だった
殺人やらなんやらの罪が結構あるらしい。はぁー、人っていうのは見かけによらないってよく言ったもんだね
「姉さん、怖くないの？」
『英二より年下だしね』
「それ僕基準なの？」
英二以上に聞かん坊な奴、誰もいないしね
手を焼くようなやつもいない。全ては英二基準で回っていると言っても過言ではないし、大体お前の相手をするだけで仮眠すら取れないという現実があるんだからお前より可愛いもんだと思うよ
そこからは、そのアッシュという少年に会うために案内人であるスキップという少年と共に、今はアイリッシュパブというバーの前にいる
かけていたサングラスを外したくなるほどに汚れたバーに苦虫を潰したような顔になる私に、「海斗姉さん、顔、顔」と英二が言う。なるほど、それほどまでに顔が歪んでいたか
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
