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「大丈夫か、おい？」
「さっき、なんて言った？」
「え？」
「兄貴がどうかしたのか？」
「い、いや、俺は…」
言い淀むマックスに「何があったんだ…」と詰め寄る
「なんとか言えよ！聞いてるんだぜ、おい！」
「う、いや…それは…」
「言えよマックス、本当のことを。また裏切るのか？兄貴を見捨てたみたいに！」
俺の言葉にマックスは息を飲んだ後、「どうか落ち着いてくれ…」と静かに俺に語りかけてくる
「グリフィンの命が狙われた」
「……………は…あ、兄貴は」
「その場にいた日本人が助けてくれたから大事もないし怪我もない。ただ、撃たれたんだ…日本人が」
「どっち、だ」
「え？」
「女か男…どっちだ！」
「海斗っていう奴だそうだが…」
俺が「バナナフィッシュ」という名前を漏らしてもそれを聞き返さずに1発で覚えた上にそれを調べると言ってくれたあのお姉さんだ
「…そいつ、今は」
「銃弾は肩を貫通し、全治3、4ヶ月だそうだ」
「無事、なんだよな？」
「あぁ、無事だ」
よかった…よかった
俺はその場で大きく息を吐いた
海斗side
『ふあっ…はふ……』
ホテルの一室、徹夜明けの体は悲鳴をあげるほど凝り固まっていた。肩に手を当てて首を回せば、鳴ってはいけないぐらいの音が鳴り響く
こりゃ、しばらくトレーニングしたほうがいいな…
冷蔵庫から、備え付けのペットボトルを取り出して口をつけると「本当ですか？」と英二の嬉しそうな声が聞こえてくる
「アッシュは出てこられるんですか？」
「うん、ジェンキンズ警部が頑張ってくれたらしいよ。でも、これが最後だよ。アッシュを警部の元に送り届けたら、その足で空港へ行くんだ。いいね？海斗ちゃんも！」
「はい」
『へーへー…。ふあっ…』
大きなあくびをしながら寝室に戻ろうとすると「寝不足なのかい？」と伊部さんに聞かれて『2日連チャンね』と答えておく
「そういえば、夜中まで何してたの？仕事？」
『んーにゃ、これ』
「？」
「アッシュ・リンクスの特別保釈申請に関わる報告書……え？」
「海斗ちゃん、キミまさか…」
『身辺保護でもぎ取ってやった。結構無茶したよ〜。ドナルド・B、テイラー州判事にリモート直談判』
「「えぇ〜〜〜っ!!!?」」
こりゃしばらく、誰かのために動くことが予想されるな
まあ、いいか。ハッキングできて大満足だし
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
