強者の首を狩れ【BANANA FISH】 (ページ47)

今日:42 hit、昨日:20 hit、合計:15,841 hit

8-6 ページ47

『あぁ、頼む…最速で2日でそっちに届ける』

ピッと竹林との電話を切った後、張大に行こうと言われて素直についていく
店内に入ると、奥の部屋に通してもらいお茶を出されて目の前のやりとりに少々息苦しさを感じている

「そんな、嫌ですよ日本に帰るなんて！どうして急にそんなこと言うんですか!?」

英二が興奮気味に大きな声で机にドンと腕を置いた
お茶がこぼれるだろうが。ソーサーと共に持ちながら伊部さんの反論を聞く

「事態が変わったからだよ！連中にキミたちとアッシュが親しいことがバレたんだ。いつまた狙われるかわからないんだぞ！」

「……恐くなんかありません」

(嘘つけ、ホントは恐いくせに)

人一倍優しくて、気遣いできて、それでいて怖がりでもある英二のことをよく知っている私だからこそ、今どう思っているのかよくわかる

英二の頑固さは認めるし尊敬するが、こういうときには本当に厄介なのだ

「そう言う問題じゃない。これは現実なんだよ
現実のマフィアの世界なんだ。またもしものことがあったら、キミの両親に顔向けできんよ。アメリカ行きだって、海斗ちゃんのおかげでやっと納得してもらったんだから」

「……伊部さんのいうことは、よくわかります
ここに連れてきてもらったことも、とても感謝してます
…あの時は僕、落ち込んでたから…姉さんのおかげで、持ち直したけど」

ズズズ…と飲んでいると「海斗ちゃんもわかってくれるか？」と聞いてくる
なんだよ。賛同して欲しいのか？答えは否だね

『やだね、帰らない』

「なっ

「姉さん！」

『帰るつもりないし』

「だめだ！一緒に帰るんだ！」

『あ"ーもー。うざーーーい。20歳超えてる上にもう成人迎えてる人間たちにうるさーい！』

ガミガミと怒っている伊部さんに聞こえませんというように、耳を塞いで顔を背ける

アッシュside

ガーベイに工房に呼ばれた俺は素直に向かって、2人に頼んだものが回収に失敗したことを聞いた
何か邪魔が入ったんだとすぐにわかった。じゃなきゃ、あのクレイジーなお姉さんがヘマするはずがない

ガーベイに身を引くように言えば、怯えながら頷いた途端「アッシュ！これ以上、問題を起こすな！グリフィンが…っ！」と兄さんの友達だと言うマックスが流れ込んできた

ガーベイのタマをくすねていたフォークでぶっ刺し、あいつらが出ていくのをボロボロになった体で見送った