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驚くほどに怒鳴り出す伊部さんは、「そんなこと関係ない！」とまた怒る
うるさいな〜放っておいて欲しいもんだ。自分の行動に責任を取る歳になったんだ。というか、英二の自由を縛ってるあんたが言うなっつー話だ
「俺はまた攫われたんじゃないかと…生きた心地がしなかったぞ！」
『無事でいるからオールOK』
「あのなあ…」
『それより、伊部さん』
「？」
『来て』
伊部さんの背中を押してヤン先生の診療所に案内し、アッシュの兄、グリフィンが眠っている部屋に入った
「彼は？」
「アッシュのお兄さんです」
「えぇ？」
『ヤクでやられてるから大きな病院に連れて行きたいところだけど、生憎それができないんだよ』
「な、なんで？」
『バナナフィッシュって言葉の意味がわかったんだって。チャーリーが言ってたんでしょ？』
「ドクター、さっきの話してやってくれよ」
ショーターがメレディスに言うと、「ああ…」と頷いた
奥の部屋に移動し、テーブルの上に小さな小瓶がおかれる
「僅かだが、奪われる前に別の場所に移しておいたものだ」
「これは？」
「例の「殺された男」から、アッシュが預かったものです」
「LSDやなんかの幻覚剤の一種らしいと言うことまではわかったんだ。ただ…」
「ただ？」
「LSDなら効果継続時間は約8時間だ。だがこいつは、24時間症状が持続した。あるいはもっと続いたかもしれん」
「かも？」
『それ以上続けられなかったんだよ。ラットがみんな死んだから
凶暴になり、極端な自己破壊行動に出た。つまり、自 殺さ』
壁にもたれながら伊部さんに説明したあと、テーブルに置かれた小瓶を指でつまみあげる
『チャーリーが言ってたでしょ？ここ数ヶ月、奇妙な自 殺事件が何件も起きてるって』
「おそらく、「あの男」が作り出したものだろう」
「オーサーの一味にメガネをかけた男がいて、アッシュの兄さんが彼を「バナナフィッシュ」って呼んだんです」
さて、と…驚くほどに深刻な事態に陥っていることを今しがた気がついた私は、『この小瓶、預かってもいい？』と聞くとメレディスは「あぁ」と頷いてくれる
「どうするの？」
『調べる。ヤクに詳しい人間が2人ぐらいいるんだ。そいつらなら、なんとかなる。…あぁ、竹林か？少し調べて欲しいものがあるんだけど』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
