8-2 ページ43
興奮したように大事そうにそれを手に取ったメガネの男を見ると「よし、殺せ」と冷たい言葉がオーサーの口から出てくる
「ちゃんと喋っただろ!?」
「お前は連れてってやる。だが…この女はここでお別れだ」
「姉さん！」
『……………』
どうにもこうにも、ならないな…
「ディノのおもちゃにされたら、アッシュはさぞ苦しむだろうからな」
オーサーが冷酷に笑い、私を見下す
おいおい、見下されるのは好きじゃないんだ。見下すのは好きだけどな
「奴の大切なモンは、片っ端から奪ってやる
お前を殺す！お前はあの変態ジジイに麻薬漬けにされて、骨までしゃぶられろ！」
右手で英二の髪の毛を掴んだオーサーにビギッと青筋が立つ
汚い手で私の可愛いいとこに触るんじゃねぇよ
「……イカれてるよ、あんた」
「あいつには散々コケにされてきたんだ。死ぬまで苦しめてやる
お前も廃人にされる前に「ハラキリ」でもしたらどうだ？
自分で自 殺するのもいいな。ハハ、そんときゃあアッシュを呼んでやる」
『…………………』
言いながら出口へ向かい、ドアの前で振り返ったオーサーが背後に影があるのに気づいた
カチャリと小さな音がして後頭部に銃を当てられている
「「ハラキリ」すんのはお前の方だぜ、オーサー」
「ショーター！」
「え…？」
『やっぱり』
ゴソゴソと両腕を動かしながら立ち上がると「え、姉さん？」とこちらを見上げる英二に『ちょっとだけ我慢してて』とだけ答えておく
「よくもまぁ、ベラベラと…。見張りがやられたのも気づかなかったのか？
物騒なモン出せ。ボスの頭に穴が空くぞ？」
「くそ…」
「お姉さん、銃を拾えるか？」
『OK。拘束も取れたしね』
「えぇっ!?」
ピラピラと拘束していたものを掲げれば「いつの間に…」と英二が驚いた顔でこちらを見てくる
フッとだけ口元を緩ませると、床に置かれた銃を拾っていくトリガーに指をかけ、ちゃんとセーフティがかかっているのを確認する
『さ、あんたも出しなよ』
震える手で銃を構えているメガネの男に言うと、「お姉さんの言う通りだ。やめな、おっさん。あんたにゃ人は撃てねえ」と余裕の表情で言うショーター
『さ、渡してもらおうか…』
ガチャンと銃口を向ければ、男はさらに震える
その時だ
予期せぬ人物が現れたのは
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
