強者の首を狩れ【BANANA FISH】 (ページ42)

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8話遂行せよページ42

『アッシュからあなたに預けたものを受け取って欲しいと』

メレディスに伝えると警戒しながらも「あぁ、ちょっと待っててくれ」と席を立ち奥に引っ込んでいく
なんとも暇を持て余すことになり、窓辺に背中を預けてポケットからタバコを取り出してライターで火をつけると「ね、姉さん…」と英二が震えた声を出す

『ん？…!?』

英二の首元にはナイフが向けられていた

「おい、持ってきた…!?」

現状を見て目を見開いたメレディスは「おい、これは」と説明を求めてくるけど、求められたってこっちだってわかんない

『お前…どうやって…』

「張大から別の奴をつけさせたのさ…」

『あぁ…連絡が途絶えたからってことか』

キラリと光るナイフを見て震えている英二をどうやっても助けることができない

「さて…大人しくしててもらおうか…クレイジー・ガール」

オーサーに両手首を後ろ手で拘束され、英二、メレディス、女の人と共に並ばされる
オーサーの他にも眼鏡をかけた男と2人の手下がいる。1人で4人、か…いけるか？

「ここを教えてくれて感謝するぜ」

『…………』

「お前らをずっとつけてたが、そこの女に途中でやられてな…張大から出てくるのを待ち構えてつけたのさ…
アッシュに何か頼まれたんだろう？」

『なにかって？』

シラを切るように言ってやると、「こいつはディノへの大事な土産だから、傷物にするわけにはいかないからな」と英二の頬にナイフの切先を向けている

心の中で舌打ちをし、こちらを見てニヤニヤしているオーサーに顔色を変えずに見つめると女の人にナイフを向け始めた

「彼女に手を出すな！」

「吐きな。女が死ぬとこを見たいか？」

完全に追い詰められた。卑怯者は卑怯なことしかできないということが立証されて、それをネタに冷やかしてやろうかと思ったが今この現状が余計に危なくなる
喉まで出てきた言葉を再度飲み込み、目を閉じる

悪い、アッシュ…無駄な犠牲は出したくないから

『預かったものを受け取るようにって言われたんだよ』

「粉末の入った小さなビンだ。このくらいの！」

『なんなのかは知らないけど、受け取れとしか言われてない』

「そんなの机の上だ！とっとと持って出てけ！」

メレディスの言葉通りに机の上には薬の入った小瓶ある
あれが、受け取るようにといわれたやつか…