強者の首を狩れ【BANANA FISH】 (ページ5)

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日本とアメリカの時差は13時間。その13時間に慣れていないのかと聞かれれば、答えはYESと答える日本人は多いだろう
だがしかし、時差など関係なく元気な日本人はここにもいる

「うわああああ！すごいや!!」

『早入りして観光する気も起きない…』

「姉さん、だらしないよ！」

『うるさいっ！飛行機の移動時間中に寝れると思ったらお前がずっと話しかけてくるから寝れなかったんだろ!?』

「だってアメリカだよ!?」

『アメリカになんの興奮要素があるんだよ!!?』

バフンッと英二の顔面に枕を投げつけて頭をかいた後、『外出るッ！』と財布とスマホだけを持ってホテルを後にする
むしゃくしゃしながらもホテルを後にすると、外の空気を吸って幾分か落ち着いた

『ったく…』

適当に自販機で買ったコーラを飲みながらスマホをスイスイと動かしていく
メールに資料作成にと時間を惜しみなく使うこと10分程度、「ハーイ、お姉さん！」と目の前にド派手な髪の毛とサングラスをかけた子どもが現れた

「暇してる？暇なら一緒にお茶しない？」

『…………お生憎様、仕事があるんでね』

チラリとスマホに視線を戻し、適当に指示を出した後これからのことの指示も出していく
「了解」の文字が出てきて、そのトーク画面は終わり、また違うトークに始まる

「…おい、ショーター。全く相手にされてないぞ」

「うるせぇぞ、アッシュ！」

『……………アッシュ(灰)…？』

特にその言葉が気になったと言うわけではなく、珍しいなと思っただけだった
灰という意味を持つ、「ash」という名前だなんて、なんだか悲しい奴だな。顔を見てやろうと顔を上げると、やはり顔を上げるんじゃなかったと思った

金髪の髪の毛をサラサラと揺らし、翡翠の瞳を持っている美丈夫だった
E組が誇る磯貝や顔だけなら赤羽や浅野に負けず劣らずのその顔に、天を仰ぎたくなった

「うわっ！お姉さんの目、アッシュと同じだな！」

「……へぇ、珍しいな。日本人で翡翠の瞳か」

『………見物料取るぞ』

人の顔をマジマジと覗き込んでくる2人の子どもに嫌味ったらしい言い方になる
私よりも大きい2人は、「あぁ、すまねぇ」「そりゃ失礼」と肩をすくませて距離をとった

「お姉さん、変な奴に襲われないでね」

『はあ？』

「この辺り、お姉さんみたいに綺麗な目を持った人は狙われやすいから」