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アッシュside
(あいつ、調べるとかなんとか言ってたが、大丈夫か？)
ベッドに寝転がって窓の外にいる小鳥を眺めていると、コンコンとドアがノックされた
そちらに目を向けると、あの日本人がいた
「やあ…」
病室に入ってくると備え付けの椅子に腰掛け「どう？具合…」と語りかけてきて俺は穏やかに答えた
「そっちこそ。塀の向こうにマットはなかったろ？」
「ああ…でもこれは、大したことないんだ」
「見事なジャンプだったよな…お前にあんな特技があるなんて思わなかったぜ。お前の姉貴にもな。スキップを軽々と投げ飛ばした」
「姉さん、腕力だけはちゃんとつけとけって鉄アレイ渡してきたし…姉さんもああ見えて腕っ節強いから」
あの日本人が腕っ節強いのはよくわかっている。喧嘩も強けりゃ、バイクを法定速度ぶっちぎりで飛ばした上にマービンのやつを1発で落としたぐらいだからな
「アッシュ…あのー…いや、その」
「チャーリーに言われてきたんだろ？」
「え？あっ、いや…」
こいつが何をしにきたのかはよくわかってる
俺の見舞いと、チャーリーから頼まれたことだろう。どうせ昨日のことを聞いてこいとか言ってるんだろうな。タチ悪いぜ
「お前も嘘のつけない奴だな…奴やお前の姉貴から聞いたか？昔の俺のこと」
「え？なにも聞いてないけど…」
「そうか。…日本にはないのかよ、ああいうエゲツないの」
「あんまりよく、知らないんだ…それに、エゲツないって言ったら姉さんの方がエゲツないよ」
「どういうこと？」
聞いてみると「覚悟してね」と息を吐きながら言われて、俺は眉を寄せながら耳を傾けた
「姉さんの口から聞いたからほんとかどうかはわかんないけど、ある外国人の味覚が変わるぐらいまで五感を痛めつけたとか」
「…………」
「羞恥心を煽るような写真を使って高級スイーツを脅し取ったとか」
「…………」
「あとは集団の男の人相手に暗闇で襲いかかったとか」
「もういい」
それが全て本当なら、あいつは大したクレイジーガールだ。しかも、語っている時がなぜか遠い目になっていたのは多分、あんまり思い出したくないんだろう
「お前の姉貴、大丈夫か？」
「うーん…よくわかんない。それを聞いたのは姉さんが高校1年生になった時だし」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
