強者の首を狩れ【BANANA FISH】 (ページ32)

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『マフィアの総大将とお前の戦いになんざ微塵も興味がないが、その戦いになった原因がなんなのかには興味がある
どうせ不可解な自殺と関連してると思ってるけどな
なにかあるなら話せ。それを誰かにバラすメリットが私にないからな』

静かに言ってやると、アッシュは「…粉、だ」と小さな声で呟いた
眉を寄せて『粉？』と聞いてみると「一種のヤク物だ」と言われて、粉状のヤク物なんかあったか？と頭を捻らせた

「詳しいことは俺にもわからない」

『ふーん』

「なんだよ、気になるって言っておきながら」

『いや、ヤク物か…その手に詳しい奴に聞いてみるか…』

「いるのか？」

『あぁ、舐めんなよ？うちは優秀な人材が多いんでね』

スイスイとタブレットを操作し、この手に得意そうな人たちに連絡をとっていく
3人して喜んで頷いてくれた上に情報をこちらで集めてみるとも言ってくれた

あとは…

『OK、何かわかったら連絡するよ』

「成分もわからないのに、どうやって調べるつもりなんだ？」

『ちょっと気になることと照らし合わせる。大丈夫、警察に手を借りるから』

ぽかんとこちらを見ているアッシュに振り返って答える
さてと、データベースハッキングするよりも、直接行った方がいいな。ジェンキンズ警部の管轄内ってことは、頼み込めばいけるだろうな

「あ、あれ…姉さん？」

『英二。チャーリーとジェンキンズ警部は？』

「外にいるよ」

『OK』

姉さんどこ行くの？と聞かれて『ちょっと野暮用』と答えておく
手を振って外に向かうと、2人が立っているのに気づき、『チャーリー、警部』と声をかけると2人が振り返ってくる

「おぉ、海斗」

「もういいのか？」

『かすり傷だってば。そんでさ、2人にお願いがあるんだけど』

「「？」」

『ちょっと、血、チョーダイ』

ー翌日ー

「こんなことが署長にバレたらどうなるか…」

「全くだ」

『なにさ。無関係な人間巻き込んで置いてハイさよならってわけじゃないよね？』

注射器で死体の血を抜いていく。検査に必要な分だけ抜き取り、冷凍パックに入れて宅配してもらう
これで、あとは検査結果やら成分の確認やらを調べて貰えば、詳しいことがわかってくるだろう

(あとは…)

ディノ・ゴルツィネの動きを探る