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バックパックの中にタブレットを仕舞い込み、肩に引っ掛けてアッシュの病室だという部屋に向かうと、チャーリーが頭を抱えて出てきた
「あ、海斗…」
『アッシュは起きてる？』
「あ、あぁ…」
OK。と指で丸を作りコンコンとノックして中に入ると「なんだよ、まだなんか」とこちらを鬱陶しい顔つきで見てきた途端に目を見開いているアッシュがいた
壁に肩を預けている私を見て「お前…」と呟く
『やあ、アッシュ。ご気分いかが？』
「いいように見えるか？」
『見えねえな』
鼻で笑い『中に入っても？』と一応断りを入れると「あぁ、いいぜ」と頷いた彼の近くにある椅子に腰掛けた
「怪我は？」
『あんなもんかすり傷さ。大したことない』
「銃の傷は発熱するんだ。油断してると死ぬぜ？」
『そりゃご丁寧に忠告どうも。殴られた方が痛いね』
「違いねえ」
はははは、と笑っているのに少しホッとする
あんな顔をするもんだから笑えないんじゃないかと思っていたが、笑えているんだな
バックパックからタブレットを取り出すと『いくつか聞きたいことがある』と口を開くと、彼はくしゃりと笑っていた顔から目をパチクリとさせた
『ディノ・ゴルツィネ』
「！」
『やっぱ、知ってるか』
「お前、なんでその名前を」
『アメリカでの変死が気になって、最近データベースをハッキングしながら情報を得ていた』
「聞いちゃいけねぇような言葉が出てきたぞ？」
『気のせいだ』
アメリカの貿易商、不動産ブローカー、ナイトクラブのオーナー
こいつらに共通しているのは、全員そのディノ・ゴルツィネが絡んでいるということだ
偶然にしては出来過ぎしている
『少年愛がえげつないことで有名だな。保健の授業で習った』
「習ったのかよ」
『あぁ。ご丁寧に、そっちについては博識だ』
「おい…」
『で、だ…お前、そのゴルツィネの愛玩物なんだろ？』
「……」
『OK、答えなくていい』
無言で何も言わなくなった彼に肯定として捉える。息を吐き、『まあ、そっちよりも…』と口を開く
『お前、マフィアの総大将相手に何で挑むつもりだ？1枚のカードか？何枚カード持ってる？』
「…どういう意味だ？」
『相手に勝ちたいのなら、たくさんのカードが必要だ。これはゲームだと思えばいい。命懸けのな…』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
