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勢いよくハンプティダンプティの首筋に足を絡めとると、そのまま膝蹴りで男の顔面に蹴りをめり込ませる
茅野が群狼相手にやっていた技だ。あれはトラウマもんだし、プロレスでやったら優勝間違いない
よろけたハンプティダンプティをそのままグリンッと体を回して床に叩きつける
「グハッ…！」
完全に気絶して床に伸びたハンプティダンプティに、『ハイ、シューリョー。お疲れさーーん』の意味を込めてポンポンと背中を叩いてやる
「すっげぇ…」
「…あんた、何者なんだ？」
『喧嘩っ早い友達のおかげで格闘できる、一般人』
腰にさしたオートマチックを取り出し、スライドさせて弾を込める
セーフティも外してあるからいつでもトリガーを引けば銃弾は飛び出す
『さあて、脱出するぞ』
「うん」
「あぁ」
「たくましいなぁ」
重い扉を開けて慎重に進んでいくと、外には賭けポーカーをしている見張りの男がいた
さてと、ここをどうやって突破するかだが…まあ、こいつら足速そうだしな…正面突破でもいいか
『正面突破』
「あぁ」
「本当に？」
『やるしかないだろ？なんだ、英二。ビビってんのか？』
「び、ビビってない！」
『ならいくぞ』
足に力を込めて走り出すと、賭けポーカーをしていた奴らがこちらに気づいた
「逃げたぞ！捕まえろ！」
『先に行け！』
先頭を走っていた私が立ち止まって振り返り、オートマチックを構えてバンッと男たちの足元に銃弾を撃ち込むと「うわっ！」と驚いて足を止めている
素早くその場から離れて3人を追いかけると、やがて行き止まりの場所に出てしまった
「行き止まり…」
「ちっくしょー、ここまで来て…！」
『高くて4メーターか…』
見上げた塀の高さを推測し、『おい、英二』と塀を見上げて息を呑んでいる英二に声をかけると、「え、なに？」と少し反応が遅れてこちらを見る
『できるか？』
「む、無理だよ！こんなの！どうやって飛ぶっていうんだよ！」
「海斗ちゃん？」
「おい、何話してるんだよ」
狼狽えて大きな声を出す英二を気にすることなく、腐った水道管をなんとか引き抜いた
長さといい細さといい、最適だろう
「姉さん！僕はっ！」
「なにするんだよ、海斗ちゃん！」
『英二にこの塀を飛び越えてもらう』
「「はあ!?」」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
