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「ね、姉さん？」
『てめェのケツはてめェでなんとかする。それが私の流儀だが…怪我人放り出すほど、冷たくはないんでね』
歯でインナーシャツをビリビリと噛んで引き裂き、長い長い包帯のように裂いていく
適当な場所でインナーシャツを引きちぎると、『ほら』と英二に手渡す
『巻いてやれ』
「う、うん」
受け取った包帯代わりのインナーシャツをアッシュのケガに巻いていく
『着てたやつで悪いけど、今はそんなこと言ってられる場合じゃないからな。我慢しなよ』
「……ありがとう、助けてくれて」
「………助けなかった方が親切かもしれないぜ。このままじゃ、楽な死に方はさせてくれそうにないからな」
『それもこれも…英二、てめェがカウンターから顔を出さなきゃよかったんだぞ』
「う…反省してます」
『反省して謝ってりゃ警察はいらねーんだよ』
「ゴモットモデス…」
ぎゅーーっと英二のもちもち頬をつねると、「い、いひゃいよねーひゃん」と涙目で訴えて来る
『はあ…』と大きなため息とともに手を離すと、つねられた頬をさすり「いったー…」と呟いている
『さて、と…』
「姉さん？」
『これからどーするかねぇ』
「なんとかならないの？」
『…………反撃のもんはここにある』
「うっそ!!?」
ペロン、と自分の腰にさしている銃を見せれば英二は目を丸くし、アッシュは「ブッ！」と吹き出しスキップは「海斗ちゃん、すげぇ！」と目を輝かせている
『オートマチック、9ミリの8発だ。1発撃ったから』
「なんでそれを…」
『女だからって、何にも持ってないと思ってたら…命取りだ。銃の使い方は一通りわかるし、これがリボルバーでもオートタイプでも、マシンガンでも、なんでも使えるさ』
「おいおい、お姉さんクレイジーにも程があるぜ？」
『正常さ。少なくとも、ここにいる時点ではな』
「姉さん、正常な時あった？」
『人が常に狂ってるみたいな言い方すんな』
純粋に聞いて来る英二にジトリと見ると「だって…」と反論してくるのに、『もーうるさーい』と耳を塞いだ
「で？お姉さん、物騒なもの使ってどうやって逃げるつもり？」
『…………うーん』
「おいおい、考えてないのかよ」
『……………(ﾁﾗｯ』
「「？」」
『……なあ、作戦…乗ってみるか？』
これが成功したら、きっと笑いもんだろう
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年10月19日 11時
