強者の首を狩れ【BANANA FISH】 (ページ11)

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2話肝っ玉ページ11

タバコをフーーッと吐き出した後、適当にスマホを使って株を見たりする
特に動かす必要もないし、大損するようなこともない。これも、人生勝ち組にしかできないことだろう

「あんたよくこんなところで堂々とできるな。日本人ってのは、慎ましやかなんじゃないのか？」

『全員が全員、それに当てはまると思うなよ？英二なんか、肝っ玉母ちゃんだからな』

「は？」

『度胸あり過ぎて、手がつけれない』

ニィッと白い歯を見せるように笑ってやると、「その銃、本物だよね？」という英二の声がかけられた
彼は「え…？」と振り返り、キョトンと彼の腰にささっている銃を見ている

『(ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ』

「どういう意味？」

笑いを堪えるのに必死になって、体を小さくさせる
隣の彼が動揺しているのがよくわかる

「日本じゃ、モデルガン以外、持てないんだ
ちょっと持たせてくれないかな？」

「……………………」

『な？肝っ玉母ちゃん』

度胸があるんだかないんだか…良くも悪くも無鉄砲な我がいとこくんは、こういう時の度胸はピカイチだ
危ないという危機管理能力が日本のおかげでバグっているのだ。幸いにして、今までそう言ったことがなかったことを意味することに直結するので、私的には平和に生きてくれてよかったと思っている

クツクツ笑いながらいると、「ちょっと、ヤバいよ英ちゃん」と、ピリついた空気を作り出した張本人の肩を伊部さんが叩くも、本人はキョトンとしている

「海斗ちゃんも！笑ってないで救けてくれよ！」

『言われてもな〜』

「海斗ちゃーん！」

伊部さんが泣きそうな顔になりながら手助けを求めてくる。だけどまあ、銃を触らせてほしいと言われて断られたら流石の英二も諦めるだろう
あとは彼の対応次第で私が止めに入るぐらいだろう

「……いいよ」

「「!?」」

ククククッと喉を震わせてタバコに口をつける
英二に無造作に差し出されたその銃に店内がざわめき出す。そんな空気に腹を抱えて笑いたくなる

そんな状況も空気も露知らず、我がいとこくんは目の前に差し出された銃を受け取って純粋に喜んでいる
銃ぐらいであんなに感動するもんかね。私としては触り慣れたあの感触に対して、懐かしいという感情以外に何も湧き起こらない
それもまあ…6年も前になるが