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爆発したのは安室の首輪爆弾ではなく、ヘリコプターの後部座席だった
ドアが吹き飛び、炎と爆風が操縦席に押し寄せる
安室はゆっくりと立ち上がり、煙を巻き上げながら飛ぶヘリコプターを見上げた
「こんなこともあろうかと、キミからの贈り物は返しておいたよ。秀鳴くんを巻き込んだお礼として受け取ってくれ」
首に巻かれた首輪爆弾をむしり取り、夜空に浮かぶ満月に向かって放り投げると、空中でバラバラになった
安室がしていた首輪爆弾はダミーで、本物はヘリコプターの後部座席に隠しておいたのだ
「爆弾の液体は完全に分析して中和剤を作り、回避させてもらったよ。僕の優秀な部下によってね
液体はこちらで作ったもの。気に入っていただけたかな?」
「降谷っ!!」
ヘリポートの上を掠めるようにヘリコプターが回転しながら高度を下げて飛んでいく
安室の頭上を通り過ぎていき、かぶっていた帽子が飛んでいくとそのままヘリコプターへと走り出した
「下で待っててくれ!」
「安室さん!!」
火の粉が舞い散る中、ヘリコプターを突っ切った安室は、屋上のヘリから大きくジャンプした
左手の銃を離しら右手をヘリコプターに向かって伸ばす
ヘリコプターのスキッドを掴んだあと、そのまま一回転しドアが吹き飛んだ後部座席に足から飛び込み、操縦席のプラーミャに拳を放つ
「今度こそキミを逃さないよ」
「しつこい男は嫌いだね!」
ヘリポートの端に立ったコナンは、期待を揺らしながらフラフラと飛ぶヘリコプターを見上げていた
そこへ佐藤と高木が駆け寄ってきた
「なんて無茶な!ヘリに飛び乗って犯人と闘うなんて…
コナンくん、知り合い?犯人に隠れてちょうど見えなかったのよ」
「下に行こう!」
「あ、ちょっと!あのパイロット、何者なの!? ねぇ!」
佐藤の呼びかけにコナンは答えずに階段を降りていった
ヘリコプターは徐々にふらつきながら下へと落ちていく
「離せ、この野郎…っ!」
機体への外へと放り出された安室は、プラーミャの右手をがっちりと掴んでいた
プラーミャは、安室を落とそうと足を動かす
「お前の思惑はもう叶わない。残念だったな!」
地面はもうすぐそこに迫っている
広場に設置されたジャック・オ・ランタンの人形にぶつかったヘリは、爆発した
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月4日 21時