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「一体どうしたの?」
「これを見て」
オレは目の前にあるポスターを指差す
ポスターには渋谷の簡単な地図が描かれていた
規制される通りはオレンジ色で表示されている
「ハロウィン当日の交通規制区間だよ。道玄坂下のY字路から宮益坂方向に道が伸びてるでしょ?」
「うん」
「そこをまず神宮通りが交差、渋谷駅のガードをくぐった明治通りも交差する。これを90度回転すると…」
「¥マークになるわね」
「ボクが見た燃え残ったメモは、ここのラインが丁度燃えていたからマークと勘違いしていたんだ」
「でも…村中さんたちが結婚式を挙げるヒカリエは渋谷にあるんだし、わざわざそんな絵を描かなくても…」
「いや、ヒカリエだけじゃない。もしかしたら、その周辺一帯も…」
「コナンくん、まるで新一みたいなこと言うね」
「………って、新一兄ちゃんが言ってたんだ!」
慌てて取り繕うと「また新一に事件のこと相談してたの?」と蘭が呆れたように言うのに「う、うん」と何度も頷く
「それと、もうひとつの謎も解けたって言ってたよ。ボクが巻き込まれそうになったビルの爆発、やっばりあれは村中さんを狙ったものじゃなかったんだって」
「どういうこと?」
「あれは最初からボクたちを狙っていたんだ。この証拠のメモを目撃した可能性のある人物を、犯人は消そうとしたんだよ」
「待って、犯人はどうして子どもたちがあの雑居ビルに行くってわかったの?
爆弾はタイマー式だったんだよね?前もって仕掛けてあったって聞いたよ」
「あそこにみんなが行くように仕向けた人がいるでしょ?」
オレの言葉に蘭はハッと目を見開いた
「まさか…打ち合わせが入ってるって言った…」
「犯人は顔形を変えて日本に潜伏している。公安の刑事さんはそう言ってた」
「……正体は村中努さん!? 確かに、引退してしばらく隠居生活を送っていた人なら、すり替わるチャンスはあったかもしれないけど…警察のOBなのよ!?」
蘭はそこまで言うと、喫茶店で話した時のことを思い出した
「私があの時喋ったから…」
「あの時蘭姉ちゃんは、子どもの名前を出さなかった。だからどの子どもが拾ったのかわからなかったんだ。それで、全員爆弾で殺害しようとした…っていうのが、新一兄ちゃんの推理だよ!」
「ひどい…」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月4日 21時