26-2 ページ36
「3年前の復讐をしたいなら、誘き出したあの場所ですぐに殺すはずでしょ?」
《それについては僕もずっと考えているんだ》
「爆死事件の証拠のメモは見た?」
《あぁ》
「あれが何を意味しているのかもまだわからない
だけどもう結婚式までの時間が…」
焦り始めるオレに、安室さんは《僕の友人が言ってたよ》と言った
《焦りこそ最大のトラップだって。この程度の危機、キミは何度も乗り越えてきたんだろ?》
「…………」
《健闘を祈る》
短く切って電話を終えた安室さんにオレは何も言えなかった
「ん?コナン?」
「えっ?あ、大河兄ちゃんたち…」
「どうした、こんなところで。つーか、お前なにしてるんだ」
「あ、ちょっと…あははは…大河兄ちゃんたちは?どうしてここに?」
「あぁ。明日、ここで佐々木たちと集まる約束があってな。先に来てどこで待ち合わせするか決めてたんだよ」
「へぇ…どこで待ち合わせするか決めたの?」
「もちろんさ。あそこ、ヒカリエのあたりだよ。あのあたり、警察官も多いみたいでね。何かあったら頼りになるだろう?」
「あ、うん…」
半澤さんのニコニコした表情に釣られて苦笑いしたオレに、「にしても、お前んとこのおじさん大丈夫か?」と平野さんに聞かれた
「うん。渋谷中央病院に転院してるよ」
「毛利さん、大丈夫?娘さんも」
「おじさんも蘭姉ちゃんも大丈夫だよ」
「そうか。お大事にと伝えてくれるかな?」
「うん、わかった!」
「んじゃ、俺たちも行くか」
「そうだね」
「んじゃあな、コナン。気をつけて帰れよ」
「またねー」
「さよならー」
渋谷駅方面に向かう2人を見送り、オレは結婚式当日までにどうにかすることを考えた
(の、前に…)
おっちゃんの様子も見に行かねえとな
ー10月31日ー
渋谷中央病院に来たオレは蘭と一緒に廊下を歩いていた
「なんだか大変なことになっちゃったね」
「うん。結婚式は村中さんとクリスティーヌさんだけでやるんだって」
「そっか。せっかくの結婚式なのに、かわいそう…」
蘭の向こう側には衝立で仕切られた休憩室があった
壁にはポスターが貼ってあって、そこにはハロウィン当日の交通規制区間を知らせるポスターが貼ってあった
104人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月4日 21時