24話 ミヤシタパーク ページ29
渋谷駅から原宿駅へ続く線路沿いにあった宮下公園
その跡地にできた低層複合施設が、MIYASHITA PARKだ
商業施設やホテルがある全長約330メートルの建物の屋上には芝生が張られた広い公園があり、子供連れや若者達が集まっている
松田刑事に変装した高木刑事はミヤシタパークの渋谷駅に近い南街区のエントランス付近に来ていた
サングラスをかけ、ネクタイを緩めたスーツ姿で無造作にポケットに手を突っ込んでいる
「佐々木さん、高木刑事似てる?」
「似てるも何も…松田さんそっくりだよ」
移動販売車を装ったワゴンのバックドアにかけられたカーテンから覗いていると、佐々木さんは目を丸くしてモニターに映る高木刑事を見ていた
「どうだ、不審な者はいないか?」
《いえ、今のところはなにも》
「気を抜くな。どんな相手で何人いるかもわからない」
《了解しました》
高木刑事はキョロキョロとサングラスの下で目を動かしている
犯人はまた電話すると言っていたが、なぜこんなに人目のつく場所に…
《トリックオアトリート!トリックオアトリート!》
「!」
突然、モニターに高架下のトンネルの方から声がした
黒マントにジャック・オ・ランタンの被り物をした集団がゾロゾロと歩いてくる
そして、別方向にあるビルのエスカレーターにも、同じ格好をした集団がいた
高木刑事に近づき、三方向からやってきたジャック・オ・ランタンの集団は、一斉に持っていたカゴからお菓子をばら撒いた
《トリックオアトリートォー!》
「わぁ、お菓子だ〜!」
「ちょーだーい!」
(ヤバい…!)
人が集まってきたおかげで、公安も高木刑事のところに行けない
「えっ、ちょ…コナンくん!?」
「!」
ワゴンから飛び出すように走り出し、ミヤシタパークへと向かった
エントランス前はジャック・オ・ランタンの集団と一般客が集まっており、さらにそこからどんどん人が集まっている
お菓子をばら撒くその奥、3人のジャック・オ・ランタンが扉の奥へ入って行くのが見えた
3人が入って行ったのを追いかけていくと、扉の先には降りる階段があり、地下鉄の線路に通じていた
柱の影から覗くと、3人のジャック・オ・ランタンは線路脇の人1人がやっと倒れるような狭い通路を歩いていた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月4日 21時