23-7 ページ28
「ワイルドだけど意外に優しくて、柴犬とドーベルマンを足して2で割った感じかな」
「はい？」
「佐々木さんの前だと、素直になれない小学生って感じがしたわね。見えないのに、尻尾振ってたわ」
だいぶ想像つくな…
「警察の姉さんは」
「きっと、あなたの知っているお姉さんだと思うわ」
「………」
その時、佐藤刑事のスマホが震えた
どうやら千葉刑事のスマホかららしく、すぐに応答ボタンとスピーカーボタンをタップした
「もしもし？」
《松田と佐々木に代われ》
「その前に、千葉くんの声を聞かせてくれない？」
《松田と佐々木に代わるのが先だ。ぐずぐずしていると、この刑事の声が永遠に聞かなくなるぞ》
佐々木さんは、首に巻いたチョーカー型の変声機のボタンを押して「もしもし…」と女性…佐々木梨花さんの声で答えた
《これからしばらく言う通りに動いてもらう。すぐにミヤシタパーク前へ向かえ。また電話する》
電話は一方的に切られてしまった
「……行こう」
「キミ達は面が割れている恐れがある。尾行には我々公安の捜査員を使う。高木刑事以外は離れたところでモニターで確認を。それと、キミもだ」
「…え、なんで」
「一般人であるキミを連れて行くわけにはいかない」
「でも！」
「これは、彼からの命令でもある」
「っ…」
「わかってくれるな」
風見さんに言われて佐々木さんは、唇を噛み下を向いた
確かに悔しいだろう。お姉さんの同期の人の力になれない…だが彼は一般人だ。安室さんも、大事な同期の家族を巻き込みたくないのはわかるが…
「佐々木くん」
「高木刑事…」
「大丈夫、心配しなくていいからね」
「……」
「佐々木くん？」
「心配はしてないんです…高木刑事を…ただ、姉さんがいたらどうしてただろうって…」
「……」
「佐々木くん…」
「すみません…俺、役に立てなくて」
「そんなことないわ」
カツラを取った佐々木さんは、ぺこりと頭を下げた
「先輩…」
「みゃーちゃん…」
「…ねぇ、佐々木刑事は爆弾の解体はできるの？」
「一度だけ、警察学校時代に松田さんと一緒に解体したことはあるって、言ってたよ…」
「え？」
「クリーニング店の店主が爆弾を仕掛けてて、それを解体したことがあるって。でも、2液混合式のものは解体したことないと思うよ」
「………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年5月4日 21時
