22話 脱出せよ ページ15
ー翌日ー
オレたちはクリスティーヌさんに誘われて渋谷のヒカリエにある結婚式場にやってきた
ヒカリエの高層階にある結婚式場からは、ハロウィンの装飾で彩られた渋谷の街が一望できて、子どもたちは壁一面の大きな窓に張りついた
「わ〜、すごーい!」
「この前来た時は、天気が悪くてよく見えませんでしたからね」
「あ、あそこ!うまそうなもの売ってる店が見える!」
「え、どこどこ?」
村中さんとクリスティーヌさんと一緒にソファに座る蘭が申し訳なさそうに頭を下げる
「騒がしくってすみません」
「賑やかでいいですよ」
クリスティーヌさんがニッコリと笑う中、隣の村中さんが少し前のめりになった
「それより、毛利探偵の具合は?」
「意識も戻って今朝この近くの病院に転院しました。痛み止めが切れて子どもみたいに大騒ぎしてますけど…」
2人がクスクスと苦笑いしていると、「あ、見て見て!」と歩美が声を上げた
「ヘリコプター近い!」
すぐそばの上空をヘリコプターが飛んでいるのを見ていると、「ここ、ヒカリエの屋上は」と村中さんが口を開いた
「ヘリポートもあるんです。披露宴が終わったあとは、ヘリで東京上空を周回する予定なんですよ」
「えー、ステキ〜!」
「ロマンチックですねー!」
歩美や光彦が目を輝かせていると、クリスティーヌさんはスマホを取り出して「ちょっとごめんなさい」と立ち上がった
「はい、どうしたの?えぇ…え?あの、このあと打ち合わせがあって…もしもし?もしもし?」
「どうしたんだい?」
「友達がどうしても渡したいものがあるんだけど、渋谷にいるから来て欲しいって…」
「それは困るな。この後、司会をする方と打ち合わせがあるのに」
「そう言ったんだけど…」
村中さんとクリスティーヌさんの会話を聞いていたアイツらが、また口を挟んだ
「僕たちが行ってきましょうか?」
「この近くなんだよね?」
「いや、しかし…」
「任せてくれ!」
「子どもだからと侮るなかれ!」
「依頼があればなんでも引き受けます!」
「俺たち最強の小学1年生!」
「「少年探偵団、参上!!」」
声を揃えさらにはポーズまで決めた3人に、オレはソファに座ったまま苦笑した
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月4日 21時