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「まだ逃げてるだって?」
「仲間がいるかもしれんしな」
班長が戻ってきた理由を聞き、俺はライトを口から取った
「いねぇよ」
「え?」
「いたら俺と佐々木を殺そうと戻ってこねぇだろ」
「そ、そうだな」
「班長、ガム持ってねぇか?噛むと集中できる」
「………どいつもこいつも、もう班長じゃねぇんだがな」
ポケットからガムを取り出した班長に軽く笑うと、ドオォォンという爆発音が響いた
降谷side
「う…うぅ…」
凄まじい閃光と爆風のおかげで、壁に吹き飛ばされ頭を強く打った僕はそのままずるずると倒れた
意識はあるのに、体が動かない
逃げることもできず絶体絶命の僕に、ペストマスクは銃口を向けてくる
死を覚悟した僕はそのまま目を瞑る
パァン
銃声がしたのに、撃たれていない
目を開けると、ペストマスクが銃を持ったまま突っ立っていた
銃を持っていた腕が震えてポロリと銃を落としている
「ゼロ、無事か!?」
「ヒ、ヒロ…」
ヒロがペストマスクを撃ったんだ
ペストマスクは右肩を抑えながらヒロを振り返り、逃げ出した
立て続けに発砲するが、屋上の縁に向かって飛び込み、くるりと回転して屋上の下へと姿を消した
「クソッ!」
「待て、ヒロ!奴は手負いだ。あとは応援に任せよう…佐々木を病院に、連れて行かないと」
「大丈夫か?ゼロ」
「あぁ、助かったよ。ヒロ」
松田side
爆弾の解体を続けている俺はタイマーを見た。5分を切ってる
「少しでも揺すったり傾けたりすると液体が漏れ出してドカンだ」
「タイマーの方は?」
ガムを噛む俺の代わりにミニライトを持った班長が尋ね、俺は目の前にある色とりどりのコードを持ち上げた
「攻めるとしたら、そっちなんだけどよ。トラップだらけで時間かかるぜ。コード切る順番を間違えただけで、やっぱりドカンさ」
俺が苦笑いしていると非常階段に通じる扉からゼロが諸伏に肩を抱き抱えられて入ってきた
「ごめん、取り逃してしまったよ」
「うお!大丈夫か、ゼロ!?」
「心配ない。状況は?」
「こっちもあんまりよくねぇな。ここは俺に任せて周辺の人たちを避難させてくれ」
「で、でも…」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年5月4日 21時