探偵の姉は暗殺者です (ページ46)

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13話冷たい目ページ46

『何？降谷さんの仕事、手伝うんでしょ？』

パサッ…パサッ…と資料に目を通し重要なものと分類していた

風見「……すみません」

『…何が？』

数段低い声が出ると、風見を含めた者達は背中に冷たいものが伝っていく

風見「毛利小五郎の逮捕です」

『……(ガサッ』

書類を分ける手が止まると、音風は『それで？』とまた分け始めた

風見「…あ、あの」

『貴方が降谷さんの右腕だというのは重々承知しているわ…でもね、だからと言って、あの人のこんなやり方、私は好けないわ。
もう見たくなかったの…！あの子達の涙や悔しむ顔を…！』

ギュッと握った拳がワナワナと震え出す
風見は「あの子達…？」と呟いた

『おじさまの娘さんの蘭と、私の大事な家族のコナン君よ…あの子達だけは傷つけたくなかった…あんな顔、させたくなかったのに…改めて自分の無力さを思い知らされたわ…』

分け終えた資料をガサガサとカバンの中に詰め込んでいく

風見「く、工藤さん」

『この事件が終わるまで私は探偵で動く
あなたはあの人の指示で動きなさい、せいぜい頑張るのね』

風見の横を通り抜けると音風はカツカツとヒールを響かせながら素早く去って行った

音風はその足でそのまま蘭の母親の妃英理が構える妃法律事務所へ向かった

蘭「どうして!?なんでお父さんの弁護してくれないの!?」

園子「まさかおじさまが本当に爆破したと思ってるんですか!?」

弁護を断られた蘭と園子は納得できず、英理のデスクに詰め寄った

英理「あの人にそんなことできない」

蘭「だったらどうして」

『弁護士はね、身内の弁護はしないのよ』

音風がドアに寄りかかりながら立っていると英理が「音風ちゃん」と立ち上がった

『客観性がないと裁判官に判断される可能性が高いの…つまり、英理おばさまがおじさまの弁護を引き受けるとかえって不利に働く可能性があるの』

蘭「そんな……」

肩を落とす蘭に、英理は「大丈夫」と微笑んだ

英理「いい弁護士をすぐに見つけるから」

『私も、今回の事件で担当を外されたの…だから、頑張っておじさまが無実だと言う証拠を探してみる！』

蘭「うん……」

力のない笑顔に音風は『必ず見つける』と微笑んだ

『(絶対に見つけてみせる…おじさまをおばさまや蘭を…悲しませたあの人にギャフンと言わせてやるんだから！)』

音風はそう決意すると、妃法律事務所を後にした