探偵の姉は暗殺者です (ページ40)

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12話何でこんな事するんだ！ページ40

警視庁の大会議室では、刑事部と公安部の合同捜査会議が行われていた

爆発現場が映し出された大型モニターの前には、ハの字に並べられた二つの長机に目暮十三警部と黒田兵衛管理官、小田切俊朗警視長と警備一課長がそれぞれ並んで座り、4人の前には中央通路を挟んで階段状になった座席に刑事部と公安部の警察官達が分かれて座っていた

佐藤「鑑識作業の結果、現場から爆発物は見つかりませんでした」

高木「国際会議場の一階には日本料亭があり、地下には爆発現場となった厨房が設置されています。
そこから大量のガスが検出されました」

佐藤「よってガス爆発と断定していいかと思います」

刑事部の最前列にいた佐藤美和子警部補と高木渉巡査部長が報告すると、刑事たちが「ガスか」「事故だな」もざわめいた

そんな刑事たちを公安部の警察官らが険しい顔で睨む
すると、長机に両肘をつき、組んだ手の上に顎を乗せていた黒田が「待て」と言った

黒田「そのビルは完成したばかり。ガス漏れは考えにくい」

高木は「はい」と小さく頷いた

高木「実はこのガス管は最新型で、ネット上からガス栓を開け閉めすることも可能です」

目暮「それでなんでガス漏れが起きるんだ」

目暮は大型モニターに映し出された厨房のガス栓を振り返って、尋ねた

佐藤「そのシステムに最初から不具合があった可能性があります」

黒田「点検はしなかったのか？」

佐藤の報告に黒田が聞く

佐藤「今日、予定されていました」

目暮「どういうことかね」

目暮が質問すると、高木と佐藤が続けて報告した

高木「〈エッジ・オブ・オーシャン〉にネット環境が整うのが今日だったんです」

佐藤「それで今朝、警視庁公安部による警備点検の後、点検予定でした」

白鳥「だとすると、今回は事故の可能性が高いですね……」

佐藤の隣に座る白鳥任三郎警部の言葉に、目暮は「うむ……」も頷いた

目暮「サミットを狙ったテロなは、各国の要人が会場に集まる来週5月1日に決行しないと意味がないしな……」

佐藤「そのサミット会場ですが、今回の件で変更になるとのことです」

佐藤が付け加えると刑事たちが再び「事故か」「事故の可能性が高いな」と呟きだした
するとその時、後方の扉が勢いよく開き、顔に傷を負った風見が飛び込んできた

風見「報告します！」

黒田「所属と名前を言え！」

黒田に言われた風見は、緩やかな階段になった中央の通路を歩きながら答えた

風見「警視庁公安部、風見裕也です」