元殺し屋はヒーローになる28 (ページ10)

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234話レディ・ナガンページ10

(雨で広がらない煙幕!!)

(四方からの囮(デコイ)に時間差(ラグ)なく反応できる位置!!)

2人(誘き出し&捕捉成功!!)

(さっきまでより速い!! このガキども、煙の中で何かした(・・・・)!!)

レディ・ナガンの腕をしっかりと押さえていた私と緑谷は雨が降り頻る中、レディ・ナガンは眉根を寄せて吐き気がしそうだという顔で見てくる

「スナイパーが距離を詰めるからです…!!」

『オール・フォー・ワンの情報、教えてもらいます!!』

「勝ったとでも!?」

『！』

ジャコンという弟とともに肘が戻り、こちらに向けてくる

「言うわきゃねェだろ」

2人「が…」

ゼロ距離から放たれた弾が思い切り腹にめり込んだ

「公安に一通り仕込まれてる」

そのまま地面に落ちていきそうになる私を緑谷が支えながら一緒にゆっくりと浮かび上がる

「っ…!! なんでオール・フォー・ワンにつくんですか…！」

『あいつは…全部を支配しようと企んでる』

「なんで…!! あなたはヒーローだったハズなのに!!」

暗闇に紛れ込んだレディ・ナガンを補足するために緑谷と背中を合わせてその場に浮遊する

「つくられた正義(・・・・・・・)しか見えてない。そんな色(・)に染まった人間には理解できねェさ」

「色…!?」

せっかく捕らえたのに…
3代目の言う通りに、“個性”の並列処理がグチャッた

でもこれをバネに…

ﾎﾞﾋｭｯ

『わっ』

「後ろ…!!」

《疲れちまったのさ》

撃ってきた弾から声が聞こえて、また弾が背後から飛んでくる

《沢山殺した。偽り(ハリボテ)の社会を維持するために》

猛攻撃のように降ってくる弾を緑谷と共に最小限の動きで避けていく

《ヒーローへのテロを謀計していたとあるグループ、敵組織と癒着し名声と金を得ていたヒーローチーム
社会の基盤を揺るがしかねない人間たちは、みんな法に裁かれることなく罪ごと消えた(・・・)
全て公安の秘匿命令だ》

『あいつらが…!?』

かつて自警団(ヴィジランテ)が英雄視され信頼を獲得し国が彼らの活動を保証した

とどのつまりの超人社会の土台はヒーローへの信頼

それを維持するだの歯車が、レディ・ナガンだったのか