元殺し屋はヒーローになる28 (ページ41)

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242話轟から夜神月へページ41

「オーライオーライ！」

「切島く」

「倒、れねえええ!!!」

『！』

麗日ちゃんの“個性”が解除されて落ちていく私と飯田を支えたのは切島だった
勢いのままに後ろにいく切島が「夜神月!!!」と呼んでくる

「俺、昔な!! お前に会ったことあるんだよ!!
去年！芦戸たちを守るために敵の前に出て道案内してたよな!? あれ、お前だろ!? 俺に声かけて雄英目指してもいいって！そう言ったの、お前だよな！」

『……………！』

「あれのおかげで俺、また目指そうって！ヒーロー目指そうって思ったんだ！
特別だとか力だとか関係ねえ。あん時のお前が、今の俺たちの答えだと思うぜ…！」

「よくあんなところにいたな、切島くん。しかも、二度も」

「エンデヴァーの指示でな！」

『………………………』

ズルズルと地面に落ちて、ゆっくりと息を吐いた
後ろからみんなが来てる音が聞こえて、ゆっくりと振り返る

「夜神月…！もう誰かがいなくなんの、嫌だよ
一緒にいよう!? またみんなで、授業受けようよ」

『………………』

「おい！」

「青子くん！」

『……………私だって…私だってそうしたい…だけど、お兄ちゃんも壊れて、兄さんたちもいなくて、ミストも夢魔もラルラヴもいなくて…恐いんだ…雄英には、みんながいる、たくさんの人がいる
私は、一緒にはいられない…私はみんなと一緒には…いられない…今まで通りじゃ、いられないんだ』

ゆっくりと立ち上がって自分に言い聞かせるようにして言った言葉
こうでもしなければ、崩れてしまう気がしたから。立てていた、細々としたものが、倒れてしまいそうになったから

「死柄木にブッ刺された時、言ったこと覚えてっか？」

『………覚えて、ない』

たしかに、何か言ってたけど気にしてなかった

「「1人で勝とうとしてんじゃねぇ」だ。続きがあるんだよ
身体が勝手に動いてブッ刺されて…！言わなきゃって思った
てめェの強さを知って、自分の弱さを知って、悔しくて悔しくて…がむしゃらにてめェを追いかけてた
けど、あの(神野区)日、てめェが誰よりも辛くて誰よりも強くあろうとしたのを見て、思った
てめェだって人間だって」

『…ばく、ご…』

まっすぐとこちらを見ている爆豪の顔には眉間にシワがなくて、ただ本心を言ってくれてるってすぐにわかった