元殺し屋はヒーローになる28 (ページ40)

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(でもキミに言葉は届かないから)

麗日ちゃんが芦戸ちゃんの保護皮膜に触れた
中に、誰がいる…？誰が、誰が!!

保護皮膜にある誰かを考えていたら、爆豪の爆破が起こってさらに距離を詰めてきた

『っ…オアシスの雨(オアシス・レイン)…っ』

たっぷりと水の壁を作った
進行方向に水があるのなら、保護皮膜でもその勢いでも殺されるはずだ。どうか、これ以上追ってこないことを願って

(青子ちゃん、私たちは守られたいわけでもキミを否定したいわけでもなくて)

「爆速ターボ…“クラスター”!!!」

爆豪が思い切り水の壁を吹っ飛ばした
バシャンと自分の顔に水がかかって視界が一瞬で奪われた

(ただキミの隣に)

(舐めプ女…！デクと同じように言いてーことがあんだよ！でもここはスピードに耐えうる身体を持ったテメーの後だ、委員長!!!)

『い…ぃだ!?』

(キミはいつだって俺の先を行く…！はるか先に走っていくキミを、俺は…！)

(くそっ…風圧で…ブレ…る！)

水のおかげで涙が出てきた目を押さえながら、うっすらと見える飯田の影を捉えた
引き金を引くために指をかけたその時、ブニュンと何かが銃に引っ付いて引っ張られた

『！』

「飯田、いけーーーー！」

峰田のもぎもぎが銃を奪っていく

「だから俺はいつだって」

『！』

「キミに挑戦するんだ！」

『っ!!!』

“夜神月青子を補完できるものがあるとすれば…同じ意志で、同じ歩調で、隣を走り続けようとする者たちよ”

『そんな…イヤ………いや！離して!!』

「離さない！どこへでも駆けつけ、迷子の手を引くのがインゲニウムだ！この手を離したら…！あの時言っていたじゃないか！この手を離したらキミに二度と追いつけなくなる!!!」

『…っ！』

“もう二度と!!! こいつらに、兄貴に、追いつけなくなんぞ!!! インゲニウム!!!”

いつだったか…言ったんだ

ステインと戦った時に、飯田に

叫んでた

「それに、余計なお世話ってのは、ヒーローの本質なんだろ」

振り解かなきゃ、いけないのに

力が入らなくて

いい、のかな

もう、みんなといても…

いいのかなぁ…