元殺し屋はヒーローになる28 (ページ37)

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『なにも知らないくせに…知った口叩きやがって…！』

「夜神月！」

『お前らなんか大嫌いだ!!!!』

ダークシャドウや障子によって閉じ込められたのをこじ開けてビルから飛び出した
好きでこんなことになったわけじゃない

好きでこんな“個性”持ったんじゃない

私だって

私だって！

(わかってる！みんなが心配して駆けつけてきてくれたことぐらい！わかってる！
心の底から心配してくれてる！わかる、わかってる…だってさっきから)

危険や害意を感じ取るという意志が全くと言っていいほどに何も反応しない

『だから…離れて…！離れてよ…こんな時に、攻められたら…!!
頼むから！私は！もうみんなとは!!』

「頼むから？私はもう？みんなとは？なにが、言いてえんだよ、青子」

『がっ!!』

下から突き上げるような氷が現れて身動きが取れなくなってしまった
氷の“個性”を持つクラスメイトなんて、たったひとりしかいない

「なんだよ、そのツラ。責任が…涙を許さねェか
なあ、青子…その責任、俺たちにも分けてくれよ」

『しょ…………っ』

「………もう、名前呼んでくれねえのか」

『っ…(ｸﾞｯ』

「行かせないわ」

『！』

「もうオロオロ泣いたりしない、大切だから。怖い時は怖いと言って、辛い時には涙を流して、楽しい時は全力で楽しんで、ピンチの時にはピンチをチャンスに変える強くて素敵な私のお友達
あなたがコミックのヒーローのようになるのなら、A組(私たち)、1人で架空(そっち)へは行かせない」

(梅雨ちゃん…)

涙って、なに？

友達って、なんなの？

責任を一緒に背負うなんてことしなくていいよ

焦凍、お願いだから、やめて…

あなたが傷つく姿だけは、見たくないから

お願いだからもうやめて

(…やめてよっ!!!)

「青子！」

(いや！いやいや！聞きたくないっ！)

目を固く閉じて身動きを取ろうと身を捩る
ピシッピシッと割れ始めた氷にさらに体を動かしていく

「今の状態がオール・フォー・ワンの狙いかもしれねえだろ!! その隙に雄英を狙ってくるかもしれねぇ!!
そんなナリになるまで駆け回って見つかんねェなら、次善策も頭に入れろ!! いつものお前ならそうするだろ!! 焦るなよ!! 大切な雄英を守りてぇってんなら！離れずそばにいる選択肢もあるだろ!!」