元殺し屋はヒーローになる28 (ページ21)

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236話酸素ページ21

まだ黒焦げになった自分の家を眺めて、大切だったものを全て寮に運び出してあるのを思い出した
その大切なものも、きっと処分される。焦凍に、手紙で頼んでおいたし…全部捨ててくださいって

『アッシュ、ごめんね…救けてあげれなくて』

私、もう無理なの

息ができなくて苦しいの

救けてほしい

どうしよう…

『焦凍…』

いつだってキミが私のそばにいてくれた
優しくてあったかい炎で私を守ってくれてた

そんなキミに会いたいと思うのってどうしてなんだろう

《作戦変更だ、レモント》

『……………』

自分のスマホから炎司さんの連絡が入った
それを雨が降り頻る住宅街で受け取った

《このままではお前の身が保たない。海外ヒーローの派遣日時が正式に決まりそうだ
人手が増えれば作戦の幅も広がる。お前とデクが鍵なんだ。お前達をここで潰すわけにはいかん》

『…………海外ヒーローを派遣して、また同じことを繰り返すかもしれない…
私なら大丈夫だよ、まだ動ける、大丈夫。敵に準備をさせたら、ダメなんだ』

大丈夫、大丈夫だよ

心配しないで

大丈夫だから

私は、もう、大丈夫

ー現在ー

“青子、傷も完全には癒えてない”

“そうだぜ！今は無理する時じゃ”

モヤがかるそんな2人の言葉に耳を傾けることができず、暗闇の街中を雨に打たれながら歩いた
私がやらなきゃいけないんだ。私が、始めたことじゃないか

ピクリと全身が反応して振り返って足に力を込める

“青子、待っ！”

ﾄﾞﾝｯ

“…て、くれよ…”

ー無意識の世界ー

「志村…いや、俺たち(・・・)の想いが重荷になってやがるな…」

「いや……！青子も緑谷も、全部(・・)が等価値なんだ」

「幸か不幸か。我々の“個性”の顕現か…彼女の“行動原理”を実行可能にしていますからね」

「“困っている人間をあまねく救うスーパーヒーロー”…ハッ…アイツが倒れたら元も子もねぇだろ…」

ガルルルルルと唸るライアンに、「それはそうですが…」とルーブが目を逸らした

「あの子の歩みは正しいわ」

「アイワーン…」

「立ち止まることは許されない。今の状況なら尚更ね…
ヴィランズランド(アタシたち)とオーバーホールを“持つ”とはそういうことよ」