元殺し屋はヒーローになる28 (ページ19)

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「そうなれば全てを動員しデクとレモントを隔離するつもりだった。そうしないということは…奴もそれを避けたい
しかし、我々もデクとレモントが動かなければ手がかりすら見込めない
警察もヒーローも…足りない」

全ては、あの2人にかかっているから

その時、エンデヴァーのスマホに着信があった
相手は息子の焦凍だった

「オイ電話出ろ」という文字と、着信がありましたという表示のみ

“みんなで燈矢兄を止めに行こう”

病室でそう言った息子の言葉が脳内によぎる

(すまん、焦凍。もう少し待ってくれ…今は…)

その時、再び着信があり自分のスマホを確認したエンデヴァーだったが、ホークスからのスマホからの着信音だった

「あ、俺のです。オールマイトから…え!? 緑谷くんと青子ちゃん、第二の刺客と接触…!! のち、即勝利…!!」

オールマイトside

雨が降り頻る中、人がいなくなった廃墟施設にて2人は真っ黒い姿で敵を相殺した
黒鞭を使いこなし、体を使いこなし、以前の2人ではないようなそんな姿で

「少年少女…」

見ているだけで苦しかった、痛々しかった
あんなに眩しい笑顔で私を見て憧れて追いかけてくれたあの2人は今目の前にはおらず、ただ敵を見据えオール・フォー・ワンと死柄木の情報を集めるのに憔悴している姿だった

「情報は持ってませんでした」

『また爆発するかもしれませんから気をつけて』

「待ちなさい!!」

すぐに飛び出していく2人を大きな声で血を吐きながら呼び止めた
びしょびしょの芝生の上に降りた2人に「ご飯、食べてないだろ…!!」と、うさぎとくまの風呂敷で包んだふたつのお弁当箱を差し出す

「オールマイト」

『もう、大丈夫です。付いてこなくて』

背中を向けて歩き出す2人を見て、グッと唇を、湧き上がる思いに吐き出しそうになる

「僕はもう」

『私はもう』

少年少女の中で、ほくそ笑むアイツの笑顔が

2人を、苦しめる

“次はキミ達だ”

重荷になって

“そのままいけば、言い表せようもないほど…凄惨な死を迎える!!”