14話 爆発 ページ39
ー警視庁の出入り口ー
「冗談じゃねえぞ!なんで俺がこいつらに奢らなくちゃならねぇんだ!?」
「まぁまぁ、いいじゃない。たまには」
「「ゴチになりまーす!」」
「昨日の訓練の件で警視庁に行くから、この辺で昼飯食おうって言っただけだぞ!」
「だからみんなで食べた方が美味しいじゃない」
「僕、天ぷら食べたいです!」
「私もー!」
「俺、うなぎ!うな重食いたい!」
桜田門にため息をつきながら歩いていくおっちゃんを追いかけ、歩道を歩いていると向こうから外国人男性がズボンのポケットを探りながら歩いてきた
左手に持っているタブレットに目が向く
ところどころ焦げた跡がある
「あ、ねぇ!コレ、落としたわよ」
外国人男性のポケットからメモのようなものが落ちたらしく、灰原がそれを拾って歩み寄った
「oh…」
外国人男性はかがみ込んで灰原からメモを受け取る
二言三言会話をして灰原がオレたちの方へ戻ろうとした時、タブレットの画面が突然ついた
ピーッという音に振り返ると
ドオォォン!
「きゃああああ!!」
「灰原!!」
タブレットが爆発し、吹き飛ばされた灰原が車道へ転がっていく
「お父さん!」
おっちゃんが植え込みを飛び越え、車道に出て倒れている灰原を抱き抱えて転がり、車の影で見えなくなった時、ゴンと鈍い音がしてトラックが止まった
「おっちゃん!灰原!」
「おじさん!しっかりして!おじさん!」
「灰原!」
「私は大丈夫、でも」
「おっちゃん!」
上半身を起こした灰原がおっちゃんの体を揺すっている。おっちゃんはぐったりと地面に突っ伏して頭から血を流している
「蘭姉ちゃん!救急車呼んで!」
「う、うん!」
くそっ!なんだってこんなことに!
数分後、警視庁前にはすぐにほうどうじんや野次馬が駆けつけて騒然となっていた
意識のないおっちゃんは担架に乗せられて救急車へと運ばれていく
「じゃあ、ボクは現場検証が終わったら阿笠博士のところにいるから」
「うん」
不安そうな蘭を乗せた救急車のドアが閉まり走り去っていく
救急車を見送るオレのそばで、灰原が佐藤刑事から事情聴取を受けていた
「すると、目の前で突然火に包まれたのね?」
「そう…」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月25日 10時