12-5 ページ37
「どうしたの?佐藤刑事」
「コナンくん…なんでもないわ。…といっても、キミはすぐ見抜いちゃうか」
そう言って佐藤刑事は胸の塗料を布で落としている高木刑事を見た
「さっき、高木くんが倒れた時、またアレが見えちゃったんだよね」
「アレ?アレって?」
「高木くんを連れて行こうとする…死神よ」
ー立体駐車場ー
自分の背後に何かいるのに気づいた安室は、そこにいる人物に驚いた
秀鳴の背後に死神のマスクとマントを被った男か女かもわからない人物が立っていたのだ
死神は秀鳴の首筋を叩き、支えた
「3年ぶりだな…やはりアンタだったか。奴を脱走させれば僕が出てくる。そういう読みだったんだろ?
それに、その子はただの一般人だ。解放してもらおう」
秀鳴をスロープにもたらさせた死神は、首輪を持っていた
先ほどの男の首についていた物と同じもの
死神はゆっくりと安室に近づき、「プレゼントだ」と安室の首に首輪を巻いた
「少し早いが、ハッピーハロウィン」
「くっ…!」
首輪をつけられた安室は、宙ぶらりんになった風見を見た
壁を掴んでいた左手で風見の脚を掴み、両手で引っ張り上げていると「せんぱーい!」と言う聞き覚えのある声が聞こえてきた
「せんぱーい!せんぱ…先輩!?」
(確か、あの子は…)
そうだ、秀鳴の後輩の…
「キミ!」
「えっ」
「手伝ってくれないか」
秀鳴に駆け寄った少年を呼び止めた安室は風見を引き上げるのを手伝ってもらい、なんとか持ち上げることができた
その場に倒れ込み、肩で息をしながら首元を見る
安室の喉元で、首輪に付けられた小さなライトが緑色に点滅していた
「先輩!先輩、しっかりしてください!!」
「大丈夫…気絶してるだけだ…救急車を」
「は、はい!」
気絶している秀鳴を見て、安室は同期を思い出す
(すまない、佐々木…お前の弟を巻き込んでしまった)
幸にして秀鳴の首に首輪は付けられなかったが、いつ犯人に狙われるか分からない
十分な警戒と護衛をつけなければならない。だが、秀鳴の自由を縛ることになる
(こんなとき、お前がいてくれれば)
白バイ隊員で多少の無茶を平気でやり通す彼女を思い出し、安室は唇を噛んだ
89人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月25日 10時