0話 ご飯 ページ3
「本日から白バイ隊員として配属された、佐々木梨花だ!! わからないことが多いと思うので、指導してやってくれ!」
「「はい!」」
むさ苦しい空気の中、私がいるのは交通課交通機動隊だ。ここで白バイ隊員としての仕事が始まるのは構わないのだが…
(女が1人もいない…)
男の職場ということか…舐められぬようにせねば…
「なお、佐々木は警察学校時代自動二輪の訓練では成績はトップだ!お前たちも見習うべき場所は素直に見習うように!」
「「はい!」」
『……よ、よろしくお願いします』
熱量に押されて戸惑いながら頭を下げた。書類やらの仕事は特に変わらず、出動したり違反者を取り締まったりと色々と仕事が溜まっていく
『あ"ーー……』
「どうした、新人!まだ1週間も経ってないぞ」
『こんな激務なら志望してなかった…』
「だっはははは!! どの部署もこんな感じだよ」
警部補の高笑いを聞きながら書類を提出したあと、昼ご飯を食べるために外に出ようとすると「あ、梨花ちゃーん!」と聞き慣れた軽い声がかけられた
『萩原、松田。お前たちも昼か?』
「あぁ!一緒に食べない?」
『それは、構わないが…』
「実は、班長も一緒なんだ」
『伊達も?では、諸伏もか?』
「うん。と、言いたいところだけど忙しいみたいで連絡がないんだよね」
『あいつは確か公安部に配属されていたな』
廊下を歩きながら会話を進めていると「お前ら〜!」と伊達が声をかけてきた
「お、班長!」
「相変わらずでけぇな」
「お前は相変わらずヒョロッちいな、松田」
「うるせェよ」
「佐々木も相変わらずだな〜。この間、スピード違反の奴挙げたんだったな」
『あぁ。免停だったのに運転していたことが判明してな』
「いるよねー」
『お前たちも警察学校時代に車を運転していただろ』
「人のこと言えねえだろ、テメェも」
警視庁の外に出て昼ご飯を食べるために飯屋に向かう。どうやら今日はパスタだそうだが、この男たちの腹にたまるのだろうか…
「俺、ペペロンチーノ大盛り」
「俺はミートソースパスタで大盛り」
「俺は和風キノコパスタ大盛り」
『私は…そうだな、海鮮パスタで』
「かしこまりました」
私以外の人間がパスタ大盛りだというのなら、普通にご飯ものでよかったのではないか?
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月25日 10時