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6話 最後までズルい男 ページ20

「指輪とチェーン?」

『…………』










メッセージカードを開けてみると、そこには見たことのある松田の文字があった














佐々木へ

小っ恥ずかしいことしてる自覚も、俺らしくないこともわかってる

萩原の敵討ちが終わったら、爆処理に戻るつもりだ

それから、お前のこと警察学校時代から惚れてた

ガキみてぇな意地張ってた自覚はある

大人になれなかった

だから、直接でも言うけど今ここでも言う

好きだ。あの頃からずっと、お前だけが好きだ















ポタリと手紙に雫が落ちる
視界がぼやけて手紙が見えない
















追伸


俺よりもっとずっと、長生きして幸せになれよ
















『松田…松田っ…』














ずるいじゃないか


返事を聞く前にお前はこうなることがわかってたからこうして用意しておいたんだろ?






どうせ、そうならなかったら新しくメッセージカードを書き直してたんだろ?

















『ズルいじゃないか…そんなのっ…聞いてから逝けよ…っ』











その場にしゃがみ込みメッセージカードを額に当てて泣きじゃくる
私はいつまでお前やお前たちに振り回されたらいいんだ?



















プレゼントの指輪には「M to S」と彫られていた
松田から佐々木へという意味だろう







『本当にお前は、ズルい男だ』













あっという間に消えてしまう…
なんでもかんでも1人で決めてしまう…













止めれなかった、止まらなかった



















『言われた通り、長生きしてやるよ。お前よりも少しでも』



















ー1週間後ー









「佐々木さん、なんかいつもその指輪付けてますけど彼氏からですか?」

『ん?』









チェーンに通された指輪を見て後輩がそう言う。それを撫でて『あぁ…』と送ってきたアイツの顔を思い出す












『この世で1番、死んで欲しくなかった大切な人からもらったものだ』

「え…」

「佐々木〜行くぞ」

『はい』










メットを持ってバイクの前に立ち、確認を行ってから外に出る
違反車の追尾と罰金などを取り締まりながらいると、明らかに猛スピードを出している車がいた












『そこのセダン、停まりなさい』











拡声器で呼びかけるもさらにスピードを上げる
このままでは大事故につながる恐れがある






見失わないよう、車を追いかけた

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月25日 10時

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