3話 大喧嘩 ページ11
松田side
ここ数日というよりもここ3日間。あの野郎は俺を無視しやがる
「ちょっと聞いてるの？」
「ハイハイ、キイテマスキイテマス」
「聞いてないでしょ、その態度。全く…あら、佐々木さん」
「！」
『…佐藤…どうした、こんなところで』
「この間、佐々木さんが挙げた違反者が事故を起こして」
『ひき逃げか？』
「はい」
『住所はわかってるのか？』
「はい。目撃されたナンバープレートで割り出しました」
『優秀だな、佐藤』
わしゃわしゃと佐藤の頭を撫でる佐々木を見ていると、俺の視線に気付いたのか佐々木はサッと俺から目を逸らした
(は？)
『すまないが、そろそろ行く』
「あ、白バイですか？」
『あぁ』
(は？)
「頑張ってくださいね」
『ありがとう』
「……………」
「はーーっ、ほんとカッコいいわよね。アンタも見習いなさいよね。佐々木さん、一課でも人気があるんだから…って、何怖い顔して」
「はぁぁぁぁぁあああ???」
俺を無視した上に捜査一課にまで人気だと？
「ふざけんなよ、佐々木の奴ぅ…」
「何に怒ってんのか知らないけど、私たちも行くわよ」
ー11月3日ー
どんだけ佐々木を追いかけても無視を決め込みやがるので、班長に頼んで呼び出してもらってもこれもまた運が悪いことに仕事が被って来れなくなったりする
なんだ？俺に会いたくないってことで無理やり予定入れてるわけじゃねぇよな？
仕方ねえから、夜に家に突撃してやった
『ここ最近のお前の誘いを断ったのは素直に謝るが…なにも家にまで来なくてもいいだろ』
「うるせぇ。俺を無視した上に誘い断るからだろうが」
『だから、誘いを断ったのは謝るが』
「無視は謝らないってことか？」
『………………』
俺がすぐに突っ込むと、佐々木は俺を見てすぐに目をそらす
それが気に入らなくて、肩を掴めば佐々木は驚いて俺を見る
「なんで俺と喋べらねぇ上に目も合わせねえ。なんで無視する、なんで見かけても今までみたいに突っかかってこねえんだよ」
『……いちいち言うのも面倒だと感じたからだ。私ももういい年した大人だからな』
「へぇ？よく言うぜ。俺を見かけても声をかけたそうな顔してやがるくせに」
『そんなわけない』
「そんなわけある」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年4月25日 10時
