元殺し屋はヒーローになる13 (ページ45)

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「え…っ!?」

ヒュンッとナイフが避けられて、僕は首をつかまれてそのまま投げ飛ばされる

砂浜に激しくバウンドをして背中を思い切り砂浜に打ちつけた

「潮田!!」

「だ…じょぶ…！」

駆け寄ってきてくれた障子くんにそう言うと、障子くんはそのまま敵に向かっていく

その姿を見た敵の顔がピクリと歪み、攻撃を繰り出す前に障子くんは片手でその顔をガッと掴まれていた

「障子くん!!」

「そのなり、お前相当イジメられたクチだろ
……両親を恨まなかったかぁ!? あ!?」

その顔には怒りが浮かんでいたように見えて、それは障子くんに向けるものではなく、遠い昔を見ているようなものだった

「ゔ…ぐぐ………」

顔面を掴まれたままの障子くんはうめくことしかできない

「吉田!!」

「おう！」

E組一の体格のいい2人が敵の顔面に強烈な蹴りを見舞った

それと同時に地面に落ちそうになった障子くんを、応援に駆けつけてくれた飯田くんがかっさらってくれた

ｽﾞｱｯ

「こ…氷!?」

「轟くん!!」

「ここは俺らに任せろ」

「尾白を頼む！」

間髪入れずに瀬呂くんが走りながらテープを放ち、敵を拘束した

「今だ！常闇くん！砂藤くん！」

上空から砂藤くんを抱えた常闇くんが敵へと急降下する

待機中に糖分を摂取してパワー満タンの砂藤くんが、「シュガーラッシュ！」と雄叫びを上げながら向かっていく

「図に乗るなぁ!!!」

敵は一気にテープと氷をちぎり、砕いた

「な!?」

砂藤くんは自分に向かってくるパンチを咄嗟にガードしたけど、大きく吹っ飛ばされて岩礁に直撃した

「ぐあぁぁぁ!!」

「砂藤くん!!」

砂藤くんに駆け寄ろうとすると、敵はそれを許さない

「おいおい。ガキばっかとはいえ、ヒーロー増えすぎだろ」

気負うこともなくそう言いながら近づいてくる敵に、僕たちは息を飲み身を構えた