元殺し屋はヒーローになる13 (ページ44)

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「しまった！」

引っ張られた切島に前原は得意のナイフ術で包帯を切った

「すまねぇ……」

「気にすんな!!」

その時、ちぎれた包帯が前原にからみついた

「げ！なんだ…!?」

「前原!!」

包帯に巻き付かれ前原が持ち上げられた

なんとか引き剥がそうとするが、包帯はそれより早く締まっていった

それに気づいた上鳴が放電で助けようと構えるが、その隙にミイラが襲いかかってきた

「くそ！どわあ！」

「上鳴!!」

「磯貝!!」

「大丈夫か!?」

「おう！」

上鳴の腕を引いて包帯から逃れさせるので精一杯だ

「なんなんだよ、コレーッ」

敵が見上げる前で前原の全身に包帯が巻きついていく

「包帯に巻き付かれたものは拙者の意のままに動く
生物に効果はないが、お前が身につけている物質、ナイフや銃は拙者の想いのままとなる」

「なんだよそれ!! つーか、お前も「おじさんぬ」と同じ人種かよッ」

その声とともに前原の全身を包帯が完全に巻きつき始め締め付けていく

「ま…前原………!?」

完全にミイラになってしまった前原は銃とナイフを持ち、襲いかかってくる

「おい、前原!!」

「おわっ！」

ミイラになってしまった前原のナイフが地面に大きくヒビを入れた

その威力に俺たちは前原が操り人形になってしまったことを痛感した

「仲間同士で潰し合うがいい」

渚side

ビーチでは狼のような敵に尾白くんが1人で対抗していた

「ぐっ！」

敵のパンチを腕と尻尾で受けとめようとするけど、容赦ない力で弾き飛ばされる

「がは！」

「尾白くん!!」

「オクトブロー!!」

なんとか食い止めないと

僕は“本物のナイフ”を手に取り、今までにないほどの殺意を敵に向けた

「あ、おい！」

「渚!!」

後ろからみんなが叫んでいるのを聞きながら、尾白くんの脇を通り、敵の股をくぐり抜けて後ろからナイフをあてがった