元殺し屋はヒーローになる13 (ページ21)

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目敏いカルマに「ふん！」と可愛げなく顔を背けた真幌は、活真の腕を引いて「今後はちゃんとヒーロー活動してよね、青子！」と、歩いて行ってしまった

「え、なにがあったわけ？」

『んー…なんか見つけんの遅いってさ』

「はぁ？」

眉を寄せて「なにあのガキ」と、苛立ったカルマが「つまんねー」と言い放ち遊具にもたれると「あ、あの…」と活真が私に声をかけてきた

「ありがとう………」

「お礼なんて言わなくていーの！」

もじもじとしながら言った活真に手を振り、やってきた麗日ちゃんと耳郎ちゃんの脇を通って公園から走って行ってしまった

「……デクくん、どういうこと？」

「なんかあったの？」

『迷子探すのに遅いってさ』

「はぁ？なにそれ？」

走っていく2人をどこか懐かしい感じがして、『でもよかったよ』と、優しく吹き抜けた風によって流れた髪の毛を抑えた

「なにが？」

『活真が真幌にちゃーんと会えて』

「………青子ちゃんは、青子ちゃんって感じだね」

「麗日ちゃん、それどーいう意味？」

「根っからのヒーローってことさ！」

「え、青子には似合わない言葉じゃん」

『オイコラ』

磯貝side

「ありがとうね～」

「いえいえ」

公園近くの売店での手伝いが終わり、お礼にともらったサイダーアイスをガリガリと食べるのは前原だ

「くそあっちー。なにここ、真夏じゃん」

「常夏だもんなー」

「磯貝は相変わらず爽やかだよな。よく汗かいてても笑顔でいられるな」

シャワーーとする口の中に溶けるアイスを飲み込み、「そんなことないぞ」と笑うと「やっぱりダメダメヒーローだったわ」と、上機嫌な子供がアイスを手に持ちながら歩いていた

「そもそもこんな小さな島で事件なんか起こるわけないのに
きっとアレね。雄英でもとくにダメな人たちなのね♪」

「うわぁ……」

「言われてるな」

上機嫌な子供がアイスを食べながら言うと、隣の子どもが「ちゃんと探しにきてくれたよ…あのお姉ちゃんは……ヒーローだよ」と言った

どうやら、迷子をちゃんと見つけたらしいが、子供の悪戯のようだな