元殺し屋はヒーローになる13 (ページ16)

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「はい、すぐ向かいます」

用件を聞き電話を切ると、すぐさまご指名の上鳴に声をかけた

「上鳴、西地区の松田さん。バッテリーがまた上がったって」

「またかよ！あのおっさん、いい加減買い換えろって……イトナ～いこーぜ」

「あぁ」

しょうがねえなと言った態度で立ち上がった上鳴と、そのバッテリーを作っているであろうイトナが立ち上がる

「頑張れチャージズマ！」

「「ゴーゴー」」

「ゴー！ゴー！」

「能天気だな」

単純な上鳴はその声に力をもらい、陽気に出かけていった

「おう、イトナ。バイク乗ってくか？」

「安全性が不安だからな。歩いて行く」

「相変わらずかよ」

外では、島のみんなが使えるように安全面に配慮したバイクを大量に調整している吉田がいた

「青子ちゃん、電話！」

『はいはい。こちら雄英ヒーロー事務所…ご用件は』

電話口の女の子は、泣き出しそうな声で《弟が迷子になってどこにもいない》と言った

『大丈夫。落ち着いてね？まず、キミの名前とキミの弟の名前を教えてくれる？』

「心配ありませんわ。はい……」

「飯田～、佐藤のばあちゃんがぎっくり腰な」

「わかった。ただちに急行する」

前原の声に反応した飯田はマスクを被り、事務所を飛び出していった

『おーい、動けるやつ～』

「なんかあったか？」

『商店街で迷子。手の空いてる奴ら一緒に…………爆豪かっちゃん決定事項でな』

「あぁん!? 嫌に決まっとるだろ!!」

『なにこいつ』

ビシッと指を刺した途端に爆豪かっちゃんは、すぐに断り出した

「そういうこと言うなってバクゴー。夜神月、俺が一緒に」

「切島の“個性”で迷子探せんのー？」

「赤羽…っ！」

地図に目を落としたままのカルマの言葉に切島は、ホロリと涙を流した

「迷子探しなら、ウチの出番だね」

「俺もいこっと～。暇だし」

「夜神月さん、僕も行くよ」

『緑谷、お前朝からずっと動いてんじゃん。大丈夫？』

「うん！」

『んじゃ、お前と耳郎ちゃんと麗日ちゃんペア。私とカルマがフリランで見て回る』

「「了解」」