元殺し屋はヒーローになる13 (ページ15)

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95話ヒーロー活動推進プロジェクト開始ページ15

気温は人間の感情に直結している

寒ければ心細くなり、暑ければ開放的になる

『ってぇ、だァれがこんな真夏の常夏に来たがるんだよ!!!』

「真夏ではねぇよな」

ここ…本州から遠く離れた離島、一年通して冬とは無関係な那歩島でもそれは変わらない

さらにそこが綺麗な海辺なら尚更だ

冬場とはいえ、今日も大勢の島民や観光客が海水浴を楽しんでいる

「ねえねえ、オレらと一緒に遊ぼーよ♪」

「ぼーよ♪ ぼーよ♪」

『うっわ…ダッサすぎのナンパじゃん』

「助けに行ったら？」

『しゃーね』

持っていた荷物を尾白に任せ、困っている女子2人の手を取った

『お嬢さん、こちらでかき氷なんてどうですか？
冷たくて甘くて美味しいですよ？』

「「いただきます!!」」

「あ、おいこら！」

『当店ではナンパはご遠慮していただいておりますので、他をあたりやがれクソダサ野郎どもが』

「「ヒィッ」」

「出た。久々の輩語録」

女の子達がかき氷を買い、そのまま見送って手を振ると「青子ー」と、ダンボールを持った渚が走ってきた

『今度はなに』

「岩場向こうの70メートル、子供が溺れてる！」

『それは私じゃなくて違う人に言わない？』

障子の指示もあり、片岡と梅雨ちゃんのおかげで、子供はなんとかなったがボートを漕ぎまくってげっそりとした砂藤のおかげで、子供はギャン泣きに終わった

「夜神月～、これでどうだー？」

『いーんじゃね？』

瀬呂と常闇の連携プレイで「遊泳禁止」という文字が丁寧にテープで作られた

「……見せもんじゃねーんだが」

『焦凍、氷作って』

「ああ」

右手で作り出した氷は私の背丈よりもだいぶ大きく、『デカすぎ』と焦凍の頭を殴って、削りやすいサイズに分解した

『んじゃ、この辺りは任せるね』

「はーい」

「カルマサボってないといいね」

『あいつはうまくサボるからね』

海水浴場から島のほぼ真ん中あたりにある旅館の建物へフリーランニングで戻ると、同時に電話が鳴った

「雄英ヒーロー事務所です」

電話をとったのは芦戸ちゃんだ