元殺し屋はヒーローになる13 (ページ42)

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99話ヒーロー、出動ページ42

「あれ？携帯が圏外になっとる！」

「ホントだ！」

「俺のも」

「ウチのも」

瀬呂、上鳴、耳郎が自分の携帯を見れば圏外の表示が出ているのに気づいた

「どうなってるんだ？」

首を傾げる間の近くにいた爆豪の脳裏に、さっきの真幌とカルマからの連絡のことが思い浮かんだ

(………まさか………)

爆豪が眉を寄せたその時、外からバイクの音がした

すぐあと、島民の切羽詰まった声と共に漁師たちも雪崩れ込んできた

「大変だぁー！」

「ヴィ、敵が出た!!」

「敵が!?」

駆け寄ってきた砂藤たちに島民は後方を指差した

「商店街で暴れまわっている！ヒーローが戦ってくれているけど………！」

「商店街は、峰田、青山、葉隠、杉野、磯貝、前原の6人」

速水が冷静に言えば、猛スピードで飛んできた常闇が降り立つのもどかしそうに口を開いた

「報告！海岸に敵が出現！」

「んだと!?」

「海岸って………」

爆豪が着地した常闇の前に出ると同時に、E組のシーバーから青子の指示が流された

どうやら、敵の出現は本当のようだ

「尾白たちが防戦中、応援を請う！」

「飯田さん」

八百万に声をかけられた間は短く思案し、顔を上げてみんなを見た

「躊躇している時間はない。ここにいる者を2班にわけ………」

「爆豪、上鳴、切島は商店街の敵を撃退」

「えっ!?」

「は、速水？」

E組のスナイパーがそう静かに伝えれば、速水は次に八百万を見た

「八百万、耳郎、芦戸は商店街の島民の救助と避難
轟、砂藤、常闇、瀬呂、飯田は浜辺
麗日、口田は浜辺の人たちの救助と避難」

「速水……」

「青子ならこう指示出すはずだから………事態は一刻を争う
この島にいるヒーローはみんなだけ
島のみんなを救えるのもみんなだけ
私たちE組も、可能な限り応援に行こう」

「「おう」」

E組は、「暗殺」の体制になった

青子side

「漁港が………！」

『うっわ、ぐちゃぐちゃ』

船の残骸に手を触れ、これは修復は無理だと悟る