元殺し屋はヒーローになる13 (ページ35)

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「バロン、お前はもう………はぁ」

「あははは…悪い悪い…。なんか、張り切っちまってさ…俺の力で、こうやってまた役に立てると思うとさ
嬉しくってさ」

ビルの屋上から、銀色の髪の毛をなびかせターバンが落ちないように抑えている少年…バロンは、嬉しそうに微笑み、従者であるウズヌに振り返った

「…………お前の“個性”は」

「！」

「ちゃんと役に立てるよ」

「…おう！」

ー翌日ー

那歩島のヒーロー事務所は、その日も朝から大忙しだった

夕方に差し掛かろうという時間だったにもかかわらず、電話はひっきりなしで、宿直明けの爆豪かっちゃん以外は全員休みなく働いている

「はい、雄英ヒーロー事務所です
……旅行バッグの紛失ですね。わかりました、すぐに向かいます
商店街で観光客の荷物がなくなって……」

「はーーい、俺行くよ。渚、行こうぜ」

「ごめん、僕今から海水浴場のパトロールで……」

「あ、そっか……。なら、磯貝、前原行こうぜ」

「よっしゃ」

「任せろ」

「私、行く行く！青山くん、ご一緒しよ」

「ウィ☆」

葉隠ちゃんと青山が、磯貝、前原、杉野と共に立ち上がる

「また、忘れ物かよ。それくらい自分で……」

「依頼者の声……すっごい可愛かったなぁ……」

「うっひょーーーい！困ってる人はほっとけねーぞ！」

思わせぶりにうっとりと呟く芦戸ちゃんの言葉に、峰田は即座に立ち上がり、事務所を飛び出していく

「峰田のやつ、ホント前原と同じで女好きだな」

「おい、磯貝！まあ、否定はしないけどな」

「岡野のドロップキック受けても知らないからな」

3人も事務所を出て行き、八百万ちゃんがビーチに応援が欲しいと連絡をくれた

「なら俺がいくよ」

「俺も定時パトロールに……」

「僕も今から」

「私も行くわ。水に関しては、私も得意だから」

「さっすが、イケメグ！」

「もうっ」

中村が茶化せば、片岡は困り眉になりながら尾白、常闇、渚と共にビーチへと向かっていく

「僕も新島さん家の畑のお手伝いに行ってくるね」

「おー」