元殺し屋はヒーローになる13 (ページ32)

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「………え、あ………」

睨まれ怯む真幌に、さらに爆豪かっちゃんの怒りが増していく

「俺はそんじゃそこらのヒーローとはわけが違ェ……
クソ舐めプ女みてぇに優しくもねぇ………
オールマイトを超えてNo.1ヒーローになる男、爆豪勝己だ……。おちょくる相手を間違えたな…………」

目がつり上がり、鬼の形相になっていく爆豪かっちゃんに、真幌はすっかりおびて切ってしまい、言い返すことも逃げ出すこともできずに私の影に隠れてしまう始末

その時、活真が爆豪かっちゃんを止めるように駆け寄った

「ね、姉ちゃんを叱らないで」

「ああ？」

振り向いた爆豪かっちゃんの怒りの形相に、活真もすっかりおびえ切って泣きそうになり、急いで私の影に隠れてしまう

だが、爆豪かっちゃんは容赦なく背後に真っ赤に燃える炎を燃え上がらせ、新記録であろう目の角度をさらに吊り上げていく

それ以上目を吊り上げたら、もう敵だよ

「おめぇも、グルか…………なら…………」

「やりすぎだって、かっちゃん」

おびえきる子供に、さらにメンチを切って今にも手を出さんばかりの爆豪かっちゃんを、緑谷が後ろから羽交い締めにして止めに入ってくれた

「放せクソデク！」

「子供のイタズラでよかったじゃないか」

容赦ない肘打ちにもめげず、緑谷が爆豪かっちゃんを止めている

二人がもみ合いになってバランスを崩して転んだ隙に、私はおびえ切っている二人の頭に手を置いた

『じゃれあってる間にお家に帰りな
こっち、なんとかして後から追いかけてお家まで送ってあげる』

「！」

「…うん」

2人の背中をトンと押してやり、真幌が活真の手を取り駆け出し、振り向きながら小さく手を振ってくる2人に小さく手を振り『気をつけて～』と口パクで伝える

活真は緑谷と爆豪かっちゃんに何か言いたげだったけど、そのまま引っ張られていく

「そういう態度が昨今のガキの増長を招く………!? 待てコラ!!」

「ギャ～～～～!!!」

真幌たちに気付いた爆豪かっちゃんが這いずりながら追いかけようとするのを、緑谷が慌てて止めようとして背中から馬乗りになって、爆豪の顔を両手で押さえる

それはまるでプロレス技のキャメルクラッチだ