元殺し屋はヒーローになる13 (ページ13)

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コンプレスが何か小さな玉を投げてきて、それを避けると跳ねた玉が光り、中からトゲ付きバリケードが出てきた

「そうだ、あいつの“個性”は「圧縮」だ!!」

「やべぇって!! 寮長!!」

《落ち着くんだ、アカロ、ヴァモ…。それから、気の緩みは後でお説教だよ》

耳につけているインカムから冷静な寮長の声が聞こえてきたあと、《世界のその先(ベイオンド・ザ・ワールド)》という声が聞こえるとともに、バリケードは消えて無くなってしまった

「なにぃ!?」

「寮長、さすがっ!!」

《さあ、アカロ、ヴァモ。ロゼリアの命令をお忘れでないね？》

「分かってます」

「耳にタコができるぐらい言われたからね」

《よろしい…。さあ、暴れておいで僕のトランプ兵》

コンプレスに触れられないように戦っていると、「おい、あれ！」とアカロが前方を指差し、僕もそちらに目を向けた

「エンデヴァー!?」

「繰り上がりのNo.1か」

「すっげぇぇ!! No.1ヒーローじゃん!!」

「アカロ、今はそんなこと言ってる場合じゃ…」

興奮するアカロに冷静な言葉をかけたのは

《アカロ、気を抜かないように》

「はい、寮長!!」

寮長だ

荼毘がエンデヴァーに向かい、青い炎を放った

それに気づいたエンデヴァーも大きく拳に力をため、一気に炎を放った

「ジェットバーン！」

「おいおいおいおいおいおい!?」

「僕達もいるんだが!?」

赤く燃える炎と青く燃える炎がぶつかり、闇夜を明るく照らす

「オイオイオイ、轢いちまうぞエンデヴァー！」

「Mr.、下がってろ」

《アカロ、ヴァモ、そこから逃げるんだ》

「「はい、寮長！」」

近くにあった木の枝に、持っていたワイヤーを巻き付け、装甲車の屋根から逃げるとエンデヴァーの「プロミネンスバーン」が、装甲車を襲った

「うへー…あんなの、死んでも食らいたくねぇな」

「とにかく、ここから逃げるぞ。ヒーローたちを見るのはいいが、事情が事情だ」

「わーってる…っての！」

装甲車はガードレールにぶつかり、そのまま崖の下へと落ちた