俺達のヒミツ【BANANA FISH】 (ページ8)

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「わぁ…すごいや。考えずに描いてるんですか？」

『大まかなのはね』

「翔瑠くんは、一度見たら絶対にその絵が描けるんだよ、英ちゃん」

「すごいなぁ…」

『そんなことないさ。美術の時間にデッサンをするのと同じような感じだよ。英二くん、その6Bとってくれる？』

「はい」

『ありがとう』

受け取った鉛筆を持ち替えて力強くシャッシャッとなぞっていく
大まかな輪郭は大体描けた。あとは、細かいところをかき足して色を塗っていけばいいだろう

「日本じゃ、子どもをアシスタントに使うのかい？」

『彼はキミより年上だし、俺のアシスタントじゃないよ。俺の友達』

「へぇ、そりゃ失礼。子どもかと思ったもんで」

『ぷっ…はははははっ！キミも立派な子どもだよ！俺から言わせれば、まだ乳臭いガキだぜ！』

「なっ…！」

むっとしていた英二くんに代わって答えた俺は、まさか彼を子どもかと思ったと言った彼に耐えきれずに吹き出してしまった

笑いながら手を動かしていると「だ、大丈夫なの？」と聞かれて笑いながら首を縦に振った

『うん、大体できたかな。あとは清書して色を塗れば終わりだよ』

「すごい…10分もかかってない…」

『英二くん、何か好きなの頼んでおいで。手伝ってくれたお礼だよ』

「え、でも…」

『いいから頼んでおいで』

札を手渡して俺はそのままペンに持ち替えて線をなぞっていく。力強く、時には優しく細やかに描き進めていき、あらかた描き終えたところで消しゴムをかける

『うん、いい感じだね』

「ホント、すごいよ」

『どーも』

色鉛筆で雑めに色を塗り込み重ねて塗り込んでいると、「その銃、本物だよね？」と英二くんが彼に聞いた

「え…？どういう意味？」

『ぐふっ…！』

俺が吹き出すと英二くんは顔を真っ赤にして「半澤さんっ！」と抗議してくる

『ごめっ…！だって、当たり前をっ…』

日本語で答え、笑いが収まった頃に俺が口を開いた

『日本じゃモデルガン以外に持てないんだ。ある特殊な職業以外じゃ、尚更ね。だから彼も驚いたんだと思うよ。日本は、本物の銃を所持することは銃刀法で禁止されているからね』

描き終えたデッサンをビリビリとスケッチブックからやぶき、クリアファイルに入れて伊部さんに手渡した